デバッグで当然のことながら、オシロスコープで各部の波形を見ます。
そして見るからにおかしければ当然対処します。
それはまぁ、あんま問題ありません。
問題は、「パット見問題ない」時に「厳密に何を合格とするか」です。
波形の評価というのは、細かく見出したら本当にキリがありません。
1,Highの電圧
2,Lowの電圧
3,立ち上がり速度
4,立ち下がり速度
5,オーバーシュート
6,アンダーシュート
7,他の信号(クロックなど)との時間関係
8,USBやEthernetなどオシロスコープでまともに取れない信号に対して、専用試験機による波形評価
◯簡単評価
例えば、とにかく動けば良いもの(一台だけの間に合わせの品)なら「1-2」だけかもしれません。
ここだけは必須です。
もし、3.1V以上必要な相手に対してHighが2.9Vにしかなってなければ問題です。
◯基本評価
この場合、「1-6」まででしょうか。
立ち上がり速度やアンダーシュートまで見ます。
でもこれも微妙なんですよね。
I2Cなどは遅いので問題ありませんが、PUSHPULLで動いている波形はかなり速いので、プローブとの相性や接続方法でオーバーシュートやアンダーシュートが大きく変わります。
立ち上がり速度ぐらいは正確に測定できなくても「◯us以下」ぐらいいえますが、アンダーシュートやオーバーシュートは正確に測定するの難しいです。
本当はICの定格が「VCC+0.3V」であれば、オーバーシュートは0.3V以下でないといけないんですが、それやりだすと結構大変です。
(だって全部のダンピング抵抗を集合抵抗含めて付け替えるの?って話です)
オーバーシュートは「ごにょごにょ」なときもあります・・・
◯真面目に評価
この場合、「1-7」まででしょうか。
他の信号とのタイミングを見出すと本当に大変です。
例えばSD信号なら、「CLK」「CMD」「DATA0」「DATA1」「DATA2」「DATA3」の6つの信号の関係を全部見ることになるんです。
もちろんやるべきなんですが、実務的にはかなり大変・・・。
実際には(本当はいけませんが)スクリーンショットだけ取って「ほら問題ないでしょ?」と見た目だけで済ましてしまうこともあったりして・・・。
本当はすべての信号の間のタイミングを全部測定して規定以内か調べないといけません。
◯くそ真面目に評価
この場合「1-8」までやります。
もうここまで来ると、担当者の判断ではなく、お客さんが「こういう試験をやってくれ」と依頼してきた場合だけですね。
EthernetやUSBなどは専用の試験機などがあったりしますが、当然それなりな費用がかかります。
ここまでやると測定だけでおお仕事です。
とまぁ、こんなイメージでございます。
以上、小田切でした。