電子部品というのは金属だとかプラスチックなので、湿度がどうこうなんて普通の人は考えないと思います。
しかし、じつは湿度を吸収してしまうのです。
湿度を吸収した状態でなにが問題になるかというと、加熱した時に水分が膨らんで部品を壊してしまうのです。
加熱とはどういうときか?
部品を実装するときです。
ということで、部品には「MSL(Moisture Sensitive Level)」が記載されています。
レベル1のものはほとんど気にしなくていいのですが、レベルが上がるごとにどんどん厳しくなっていきます。
レベル1以外のものは実装する前に「ベーキング」といって軽く加熱して湿度を飛ばす作業が必要になります。
例えば、抵抗だとか積層セラミックコンデンサだとか、こういうものはMSL1なので気にしなくて大丈夫です。
それから、ロジックICのような小さなICもだいたい大丈夫です。
違ってくるのは、
・CPUやメモリのような大きな部品
・LED
などです。
部品が大きくなると湿度を沢山吸湿するので、MSLのレベルが上がってきます。
そして不用意に実装ラインに入れると割れて壊れます。
ということで、MSLレベルはきちんとチェックしないと面倒なのですが、幸い一目で分かる点があります。
部品の包装です。
抵抗や小さなICなどは紙テープやプラスチックテープにぞんざいに貼り付けてあるだけです。
しかし、MSLレベルが高い部品になると、CPUでもメモリでもLEDでも、必ずアルミコーティングされた容器に入っています。
この容器から出してすぐに実装すれば問題ありませんが、容器から出してしばらく放置すると「ベーキング」が必要になります。
ということで、アルミ包装の部品があったら「MSL」について確認してベーキングを確実に実施するようにしましょう。
以上、小田切でした。