無線通信で使うような、400MHzや900MHz、2.4GHzなどの高周波になるとちょっとしたことが大きく影響するようになってきます。
例えば、数十kHzのUART波形を測定する際に、太い線で引き出そうがエナメル線で引き出そうが、波形はほとんどかわりません。
というか、違いがわかりません。
ところが、高周波になってくるとそういったことが大きく影響してきます。
実は最近そういうことがありました。
900MHzを使う無線機器で、電波の出力レベルの確認のため基板から配線を引き出しました。
測定器側は同軸で入力するので、同軸ケーブルを使用します。
ですが、同軸ケーブルは硬いので基板の細かなパターンに直接はんだ付けすると、ケーブルのしなりでパターンが剥がれてしまいそうになります。
ということで、まず、基板上のパターンから3-4cmほどエナメル線で引き出し、そこから同軸ケーブルにつなげました。
しかし、この後数値が違うという問題になり・・・
結局のところ、そのエナメル線が問題だとわかりました。
同軸ケーブルの中に3-4cmのエナメル線部分があるだけで、なんと出力が3分の1以下になっていました。
「高周波を通すときは同軸ケーブルを使用して、高周波の出力部分から測定器まで特性インピーダンス50Ωで通す」
のが基本ですから、もちろんエナメル線は問題です。
私は基本的にはよくないと分かっていながらも、基板を壊すわけには行かなかったので「そこまで影響ないだろう」と甘く見ていました。
ところが想像以上に大きく変化していました。
ということで、みなさんも高周波を扱うときは気をつけましょう。
ケーブルを接続する際にも50Ωの線路から直接同軸ケーブルに繋がるように、上手くはんだ付けしましょう。
以上、小田切でした。