コンデンサの役割はいろいろありますが、一番多いのはノイズ吸収することです。
それについて簡単に説明したいと思います。
接続方法
電源のノイズを吸収するときはこう接続します。
簡単ですね。電源とGNDの間に接続するだけです。
そもそも電源のノイズとはなにか?
電源のノイズというものはそもそも何でしょう。
それは電圧の変化のことです。
電圧が激しく変化すると、部品が誤動作したり電波として基板の外に放出されたりします。
だから、「電源のノイズ=電圧変動」を抑える必要があるのです。
なぜ電圧変動が発生するのか?
入ってくる電源が不安定だったりすると、当然電圧が変動します。
じゃあ、電源の電圧が安定していれば電圧が変動しないかというと、そんなこともありません。
配線や基板のパターンには抵抗成分がありますよね?
抵抗成分があるということには、電圧降下が発生します。
つまり、「回路の中の電圧=電源電圧-抵抗成分の電圧降下」になるわけです。
さらに、「抵抗成分の電圧降下=配線・パターンの抵抗成分×電流」です。
ということは、「電流が変化する」→「抵抗成分の電圧降下が変化する」→「回路の中の電圧が変化する」ということになります。
つまり、どんな安定した電源を使用していたとしても、電流が一定じゃない限り電圧が変動してしまうのです。
困ったことにデジタル回路というのは激しく電流が変化するので、電圧変動は必ず起きてしまうのです。
なぜコンデンサで電圧変動が減るのか?
コンデンサというのは電気を蓄えます。
自分の電圧が、つながれている回路の電圧より低ければ、充電します。
自分の電圧のほうが高い場合は放電します。
つまり、電圧を均すような働きをするのです。
なので、電圧変動が減ります。
(いま、ものすごくざっくり話をしています)
ノイズを減らすためのコンデンサの選び方は?
まずは容量があります。
容量が少ないと充電できる量も放電できる量も小さいので、たくさん電流を消費している回路ではコンデンサの電気が足らなくなってしまいます。
つまり、変動を抑えることができなくなります。
なので、ある程度の容量が必要になります。
つぎに自己共振周波数というものがあります。
これはそのコンデンサが扱える最大周波数のことです。
アルミ電解コンデンサは自己共振周波数が10kHz~100kHz程度とされているので、それより早い電圧変動には対処できません。
積層セラミックコンデンサは1MHz以上、ものによってはGHzまで使えます。
なので、高い周波数の電圧変動には積層セラミックコンデンサが必要になります。
さらにESRという要素があります。
これはコンデンサの抵抗成分のことです。
回路図で示すとこんな感じです。
電源とGNDの間に直接コンデンサを入れているはずが、じつは見えない抵抗が入っているんです。
コンデンサを作る時に中に抵抗が出来てしまうんです。(ざっくり話してますよ)
アルミ電解コンデンサではESRが10Ωとかあるものがあります。
10Ωもあると大電流が流せないので、必然的に電圧変動を抑える力が弱くなります。
積層セラミックコンデンサなどでは数mΩといった超低ESRなものがあります。
そうすると大電流が流せるので、電圧変動を抑える力が強くなります。
以上、全体をザクッと説明してみました。
小田切でした!