回路設計

部品の型番はどう書くかは生産部(or外注工場)しだい

回路設計をする時に当然部品を選びます。

そして、回路図と一緒に「部品表」という物を作ります。

部品表には「なんという部品」を「何個」使うということをリスト上で書いていきます。

実際には大抵エクセルファイルです。

 

しかし、部品にはいろいろな表記があります。

例えば、抵抗を「100Ω/1005」と書いてもいいですし、「KOA RK73B1ETTD101J」と全部指定することも出来ます。

 

どちらが正しいかというと、生産部や工場次第です。

たとえば、「生産部・工場ですでにラインナップしている抵抗を使うからサイズと抵抗値だけ指定してくれれば勝手に選ぶよ」という事があります。

その場合は型番を書くと逆に迷惑になりますので、「100Ω/1005」と書いたほうがいいです。

逆に「部品を新たに買うor自分で型番いれる労力をかけられないから、全部そちらで一言一句間違いなく入れてくれ」という場合もあります。

 

また、部品は紙テープなどに貼り付けられた状態で納入されるのですが、それもバリエーションが有るのです。

どういう幅の紙テープか。

どの間隔で部品があるか。

実装マシンの受け入れられる形状の紙テープ仕様にしないといけませんが、ハッキリ言って回路設計者はそこまで知りません。

「部品型番は入れるけど、テープ仕様はどれが良いかわからないからそっちでなんとか選んでくれ!」となるのが普通です。

 

以上、小田切でした。

書類の用語の統一について

回路設計から離れますが、実際の業務で超大事な文書について少し。

 

設計書でも仕様書でもなんでも、とにかくいろいろな用語が出てきます。

 

製品名

例えば製品名Aがあって、それが後で改名されてA’になったとします。

その時、書類の中にAとA’が混在すると、後の時代の人は最終的なA’という名前しか知らないので、「Aってなに?」となるわけです。

へたすれば「A仕様書」なんて書類があっても「関係ない製品の書類だな」と無視されてしまうことだってあるわけです。

ですから、プロジェクトが終了する時に、古い名前は全部新しい名前に改名してから終了しないといけません。

 

類義語

ハードウェアで上手い例が出ないので、ソフト的な例を出しますが、何かの発送管理のシステムが合ったとします。

そのなかである部分では「送り主」と書かれていて、ある部分では「贈り主」と書いてあるとします。

これ、同じものを指しているかそうでないかわかりますか?

分かるわけがありません。

システムを作った人が意図して違う名前にしたのか、それともただの変換ミスなのかわかりません。

こういうものはいらぬ誤解を生みます。

実際、人間は意識せずに類義語を使っているので、こういう事例は多いです。

面倒ですが、類義語は直して一つの言葉に統一していく必要があります。

 

以上、小田切でした。

回路設計に設計書は必要か?

いきなり、答え。

 

必要

 

自分が最初に回路設計の仕事を始めた頃、「え~ハードウェア設計書? そんなものつくるの面倒だ~」とネガティブに思ったものです。

しかし、経験を重ねていくとすごく大事だということが分かってきました。

 

設計書を書くと何が良いのでしょうか。

 

設計書を書くと仕様が決まる

回路設計を引く時、なんとなく部品を選んでなんとなくつなぐ・・・なまじ経験があるとそれが出来てしまいます。

しかし、そのやり方は行き当たりばったりになります。

どういうコネクタがあって、どういう電源入力範囲で、静電気対策するのはしないかとか、そういったことが曖昧になります。

「とりあえず5Vを入れれば動きますよ。え、最低電圧と最高電圧? さぁ………?」

みたいな設計になります。

設計書を書くときには「入力範囲:◯V~◯V」と書かないといけません。

それを書く時にいろいろ検討するので、仕様が決まるわけです。

文書化しないといつまでの仕様はあいまいなままです。

設計書があると専門家以外とコミュニケーションできる

回路図は完全に専門家でないと読めません。

しかし、設計書は日本語なので、回路に詳しくないお客さんでもだいたいわかります。

「そうか、この製品の動作温度範囲は◯◯なのか。こういうコネクタがあるのか。メモリはこれだけあるのか。ん? うちはこういうコネクタがほしいんだけど、追加してくれる?」

「わかりました。追加しましょう」

みたいな会話ができます。

設計書がないと会話になりません。

会話ができないとお客さんが欲しいものと違うものが出来ます。

 

設計書があると情報が一箇所にまとまる

設計をしていくと、メモやいろんなファイルが溜まっていきます。

そしてめちゃくちゃになります。

しかし、設計書があると重要な情報は全部そこに書き加えていけばいいので、情報が散らばりません。

もちろん、設計書に書かない細かいメモやファイルは溜まっていきますが、そういったものは最悪なくなってもなんとかなる情報です。

どうしても必要な情報が一つにまとまるのはものすごい利点です。

誰かに説明するときも、「この設計書に目を通して」で全体のイメージが伝わるのですごく楽です。

 

と、こんな感じで、書くのは大変ですが、コミュニケーションや後のことを考えると非常に大事な文書です。

書きましょう!(使命感)

 

以上、小田切でした。

レギュレータのパッケージってどう選ぶ?(初心者向け)

レギュレータのデータシートを見ていると、一つの品種で5個も6個もパッケージが合ったりします。

さて、どれを選べばいいでしょう。

 

大きいのを選ぶ?小さいのを選ぶ?

そもそもなんでいくつもあるわけ?

 

正解は

「実装能力の限界と発熱量で選ぶ」

です。

 

小さい基板にたくさんの部品を詰め込まないといけない場合は、とにかく小さい部品を使いたいわけです。

ですから、基本的に一番小さい部品を選びます。

しかし、あまりに小さいと基板に部品を載せる工場から「そこまで小さいと無理!><」と言われます。

そこで工場が「これなら大丈夫」と言ってくれる一番小さいサイズの部品を選びます。

 

次に、発熱量です。

部品によりますが、「許容損失」または「熱抵抗」が定義されています。

面倒なので今回省きますが、要はどの程度の発熱量に耐えられるかということです。

この値は「部品のサイズ」と「部品と基板の結合度合い」で決まります。

部品が大きいほど大きな発熱に耐えられますので、発熱量を計算してそれに耐えられる大きさのパッケージを選びます。

 

こうしてパッケージが決まるわけです。

 

以上、小田切でした。

世の中の電子回路入門書が使えない7つの理由

入門書をいろいろ買って読んでいるのですが、はっきりいって使えないです……。

ここに書いてある知識は大事だとは思うのですが、これを勉強して実際の業務上の回路設計ができるようになるとはとても思えません。

プログラミングは本などで勉強すればかなりそのまま業務で使えるので、これはどうも回路設計の本の書き方自体に問題があるとしか思えません。

ということで、だめな理由を並べてみました。

 

1,書いている人が先生

ここが一番の問題です。

プログラミングの本は本当にプログラムを書いている人が書いています。

(たまにそうでない本もありますが)

しかし、電子回路の本は大抵どこかの大学の先生が書いています。

でも、大学でやることって実務とかけ離れているんですよね……。

 

2,実例がほとんど載っていない

実際の回路を学ぼうとしたら、原理原則より実例から入っていくほうが早いです。

要は、実際に動いている製品の回路を見て、「この回路どういう意味だ?」と調べて納得していくと理解がだんだんと深まります。

ところが、回路設計の入門書を見ていると、実例がほとんどありません。

これだといろいろな理屈は頭に入っても、それを活かして実際にどうすればいいかが全くイメージできません。

具体的にイメージできない知識は正直使えません。

 

3,原理に重きを置きすぎ

「P型が~」「N型が~」そんな物理の話を延々と書いている事が多いです。

それはたしかに大切ですが、それは実務とは別です。

まず、それぞれの部品をどう使うかを知って、その後に特性を知り、そしてその特性はどういう物理原理からくるのか……という順序で学ぶべきだと思うのですが、なぜか逆からやります。

そして原理ばかり書いてあって、「はぁなるほど」と思うものの、それで実際に使う部品についての知識はほとんどつきません。

 

4,いきなり数式だらけのアナログ回路で混乱させる

物理の役に立たない話が終わったと思ったら、突然トランジスタのアナログ増幅の話が出てきます。

実はトランジスタのアナログ増幅って、めちゃくちゃ難しいです。

そして、今の御時世、ほとんど使いません。

知らなくても最悪なんとかなりますし、ここで時間をさくべきではありません。

本来はもっと回路全体の知識を身に着けた後に、必要な時に学べばいい話です。

初心者にいきなりこんなものを突きつけるのは正直おかしいと思います。

 

5,部品の使い方を説明していない

実際の回路設計というのは、適切な部品を選んで適切な使い方をするのが仕事です。

が、こういう本は部品の選び方を教えてくれない。

トランジスタとかダイオードとかコンデンサぐらいは書いてくれるけど、それだけ。

よくてもオペアンプ程度。

いろんなICの使い方が全然ない。

「え? 電源は? DCDCでもLDOでも3端子でもいいから、とにかく実践的な電源の作り方がわからないとなにも始まらないんだけど?」

「え? ICは? 今時、トランジスタとダイオードだけでなにをつくれっての?」

「え? 論理回路の説明をしといて、標準ロジックICの説明をしてないの? なんなの? 馬鹿なの?」

「え? どういう部品があって、どういうメーカが出しているのか教えてくれないの? そういう地図がないと電子部品の全体像なんて絶対に初心者にわからないよ?」

「え? データシートの読み方は? それがわからないと何も始まらないんだけど?」

と、突っ込みどころしか無い。

 

6,リアルな話が一切ない

「実際に作るとこういうトラブルがある」「こういうノイズが問題になる」

そういう話がいっさいありません。

まるでシミュレータの世界みたいに書かれています。

そして、こんな話を聞いて実際の回路が作れるわけがない。

 

7,そもそもタイトルが間違っている

「電子回路」「入門」と書いてある本を読んでいくと、はっきりいってそもそもタイトルが間違っている!!

絶対に間違っている!!

「トランジスタを使ったアナログ回路の計算式集」

「トランジスタとダイオードの物理特性数式集」

が正しい!

こんな数式、現実の設計でつかわねぇよ!!(半ギレ)

こんな特性、数式で計算するもんじゃないよ、データシートに載っている実際の値を参照するもんだよ!(ブチギレ)

その大事な事実をかきやがれーーー!!!

趣味で回路設計をしたい学生がタイトルを信じてこの本たちを買っても、ぜっっったいに回路設計なんかできやしない!!

 

っはぁ……はぁ……

ちょっとテンションが上がりすぎました。

 

……え、そこまで文句をいうなら書いてみろ?

 

……すいません。無理っす。

 

以上、小田切でした。

スケジュールは週単位まで分割して期日は日単位で!

ちょっと回路設計から離れますが、実際にはとっても大事なプロジェクトのスケジュールの話をします。

 

これまでの経験上、おおざっぱなスケジュールは確実に死にます。

 

「来年の8月までに製品出荷だ」

 

これは100%死にます。

おそらくプロジェクトは最初から何も進まないことでしょう。

 

 

「来年の8月に量産だから試作を今年の12月までに終えよう」

 

これも99%死にます。

いつなにに取りかかればいいかわからないため、なにも始まらないでしょう。

 

 

「来年の8月に量産だから、試作を今年の12月、量産試作を来年の4月までに終わらせよう」

 

これでも98%死にます。

結局今何をいつまでにやればいいのかわかりません。

担当者は「まぁ、そのうち指示が飛んできたらやればいいか」と思うだけで作業は始まらないでしょう。

 

 

「来年の8月に量産だから、試作を今年の12月、量産試作を来年の4月までに終わらせよう。

試作まであと4ヶ月あるから、3ヶ月で作って一月でデバッグしよう」

 

こんな感じも80%死にます。

担当者は「4ヶ月で試作か~」とぼちぼち作業を始めますが、細かな作業の期日がないのでずるずると仕様検討などが長引き、気がついたら12月になってもまだ仕様検討していたりします。

作業は進みますが、このスケジュールは絶対に遅れます。

 

 

「来年の8月に量産だから、試作を今年の12月、量産試作を来年の4月までに終わらせよう。

試作まであと4ヶ月あるから、3ヶ月で作って一月でデバッグしよう。

そのためには、仕様を一月で決めて、回路設計を一月でやって、あとアートワークと部品手配と作成&実装を一月でやろう」

 

ここまでくるとだいぶマシですが、それでも60%死にます。

仕様を1月、みたいな指定の仕方をしていると、だいたい1月ではなく1.5ヶ月ぐらいかかったりします。(これ本当。ずるずる遅れる)

高い確率でそれぞれのステップが遅れていき、恐らく試作が完成するのは来年の2月頃になっているでしょう。

 

 

「来年の8月に量産だから、試作を今年の12月、量産試作を来年の4月までに終わらせよう。

試作まであと4ヶ月あるから、3ヶ月で作って一月でデバッグしよう。

そのためには、仕様を4週間で決めて、回路設計を4週間でやって、あとアートワークを2週間、生板作成を1週間、部品実装を1週間でやろう。

部品手配をアートワークと並行して3週間かけて、部品実装に間に合わせよう」

 

ここまでくるとだいぶ良いです。

死亡率は30%まで落ちます。

ポイントは作業を一週間単位までばらしたことです。

これで1月の作業が1.5ヶ月に伸びるということがほぼなくなります。

また、前回は1月という単位であつかったことで「アートワーク・部品手配・実装」などの1月未満のタスクが一緒くたに扱われてしまっていましたが、今回はそれぞれがきちんと個別で扱われるようになりました。

スケジュールの曖昧さはそのまま作業の曖昧さにつながり、絶対に上手く行きません。

 

ですが、また問題があります。

期日が不明確なのです。

仕様確定が4週間と言っていますが、それが終わるのは具体的にいつなのか。

今日が8/1として、8/25なのか8/31なのか9/1なのか。

そのぐらいいい、と思われるかもしれませんが、大間違いです。

1月が1.5ヶ月といった大きなズレはなくなりましたが、数日単位のズレは確実に蓄積していきます。

結果として、試作が完成するのは1月遅れぐらいになってしまうでしょう。

 

 

「来年の8月に量産だから、試作を今年の12月、量産試作を来年の4月までに終わらせよう。

試作まであと4ヶ月あるから、3ヶ月で作って一月でデバッグしよう。

そのためには、仕様を4週間で決めて、回路設計を4週間でやって、あとアートワークを2週間、生板作成を1週間、部品実装を1週間でやろう。

部品手配をアートワークと並行して3週間かけて、部品実装に間に合わせよう。

具体的な期日としては・・・

仕様決定は9/1(金)まで。これが間に合わなければスケジュール再検討。

回路設計は10/27(金)まで。これまでに部品表作成と社内レビューも実施する。

アートワーク・部品手配は10/30(月)スタートする。

アートワークは11/10(金)まで。

生板作成は11/17(金)まで。

実装は11/24(金)まで。

 

ここまでやると、死亡率は20%以下にまで下がります。

(死亡率は絶対にゼロにはなりません。トラブルが発生するときも多いので)

ポイントは、先程と違って期日がピッタリと決まっていることです。

これは超大事です。

なぜなら、日にち単位できっちり決まっていると、作業が順調に進むのです。

「あと1週間ぐらい」より「あと5日」の方が残り時間が明確になって、作業の配分がしやすいのです。

そして数日単位のズレが重なっていくこともありません。

さらに締切が明確になっていることで「守らないとまずい」という意識が生まれます。

これは本当に大きな違いです。

 

 

ということで、

・タスクは一週間単位まで分割する

・それぞれのタスクの期日は日にち単位で明確に指定する

ということでガッテンしていただけましたでしょうか?

 

以上、小田切でした!

メールでの指示の仕方

実務では、アートワーク業者などの外注さんなどとメールでやり取りすることがあると思います。

このとき、電話で話している内容についてはそれほど齟齬が出ません。

しかし、メールなどの文章のやり取りでは結構齟齬が出ることがあります。

 

なので、次のことを気をつけて書くように気をつけて下さい。

 

アクションを書く

滅茶苦茶大事なのがこれです。

案外と居るのが、「~~という原理で~~という理由により~」といった感じで思考の過程がだらだら書いてある人。

相手にとって必要なのは「思考内容」や「理屈」じゃありません。

「なにをすればいいか」です。

理屈は大量に書いてあるのに、「で、結局どうすればいいの?」となる駄目メール、実際にたくさんありまし。

相手にして欲しいアクションを明確にして下さい。

理屈は書いてもいいですが、アクションの補足でしかありません。

メインはアクションです。

 

箇条書きにする

長い文章でだらだら書く、この時点で意味がわかりにくいです。

そもそも文章というのは会話より意味が伝わりにくいんです。

よほど気をつけないとわかりにくい文章になります。

 

鉄板テンプレート

——————–

・アクション1

補足説明・理屈

 

・アクション2

補足説明・理屈

 

・・・・

——————–

これが一番問題が少ないです。

 

例:

——————–

・抵抗R11を縦置きにしてください

そのほうがR11の右の電源パターンを太く出来ます。

 

・TestPadを裏面に移動して下さい

実装面積が足りないため、部品配置を変更します。

当初提出した設計依頼書と異なりますが、今回の指示を優先として下さい。

 

・CPUを時計方向に90度回転して下さい

そのほうがEthernet PHYとの配線がしやすくなると思います。

もし、逆に配線が困難になるようであれば無理に変えなくても結構です

——————–

 

これを箇条書きにしないで文章で全部混ぜるとすごくわかりにくくなります。

間違いや作業抜けが発生して、なかなかスムーズに進みません。

 

上記の例のように、相手のアクションが明確に箇条書きにされているほうがよいです。

 

以上、小田切でした。

回路設計の仕事の流れ(手順)とは?(初心者向け)

回路設計と聞いて、

「まぁ、なんかあの四角と線でできた不思議な絵を書いているんだよね」

ぐらいは想像できても、一体何をしているのかイメージできない人が多いんじゃないでしょうか。

また、回路がある程度分かる人でも、実際の回路設計技術者がなにをやっているかなんて知らないと思います。

今日はそこについて簡単に説明したいと思います。

 

いきなり回路を引くわけじゃない

「回路設計の仕事なんだから、なんか頼まれたらすぐに回路図を書き始めるんでしょ?」

そんなわけはない。

仕事は段取りが9割というじゃないですか。

というか、まず、それはできないです。

自分も最初にこの仕事を始めたときはいきなり引こうとしましたが、先輩に滅茶苦茶怒られました。

きっとあなたも怒られることになるのでそれは止めましょう(笑)

 

 

仕様を引き出す

まず最初に営業経由でお客さんから仕様がやってきます。

その資料は様々です。

プレゼン資料みたいになっていて、目的・デザイン・機能・サイズまで規定されているものもあれば、

箇条書き程度しかないものもあります。

しかしどちらの場合も、設計者ではない人が作っている資料なので、基本的に設計者が欲しい情報が入っていません。

例1:

「ん? LEDってあるけど、これ何色なんです?」

「赤と緑の二色LEDで」

「書いてないじゃないか……」

 

例2:

「USBって書いてあるけどこの文面だとUSBから充電するだけってことだよね?」

「いやデータ通信もするらしい」

「この文面じゃ分からないよ」

 

例3:

「スイッチか~、プッシュタイプでいいのかな?」

「シャッターボタンと保存ボタンと電源ボタンが欲しいって」

「ちょっとまって、スイッチ3つとか読み取れないから」

 

例4:

「後でソフト屋さんに確認しないといけないけど、CPUのROMは64kBもあれば十分そうだね」

「いや、なんかログデータを保存するので1MB必要なんだって」

「ちょっとまって、この資料からそんなこと読み解ける人が居たら呼んできてよ」

 

例5:

「なるほどこういう機能でこういうインターフェースね。……ん、ちょっとまった、こんなサイズで収まるわけがないと思うんだけど」

「え? 大丈夫って言っちゃったよ、あはは」

「無理ゲーすぎる」

 

なにやら愚痴っぽい会話ばかりになりましたが、まぁ実際こういうものです。

渡された資料を信じ込んで作ると大変なことになるので、ちょっとでも怪しいと思ったところはとにかく聞きまくります。

この時に「お客さん側の担当者」と「自分」の間に人が何段もあると大変です。

(例えば、自分→会社の営業→商社→客先会社の営業→客先会社の上司→本当の担当者)

伝言ゲームで話が変わったり、返信が来るまで一週間以上かかったりして、一向に話が進みません。

なので、あなたが担当者になったときは、非公式でもいいので向こうの本当の担当者とのホットラインを作ることを激烈におすすめします。

 

 

仕様を決める

いろいろ確認しながら仕様を確定していき、なんとか仕様をまとめます。

例えば、

・製品の概要

・電源

・サイズ

・インターフェース

・LED

・スイッチ

・CPU型番

etc

いろいろ。

 

設計書の作成

上で決めた仕様とそれを実現するための部品を選定します。

そして、上の仕様と部品と選定理由などを書き下した設計書というものを作ります。

この書類を書くのが非常に大変なんですが、やっぱり作っておかないと後でトラブル出ます。

この設計書についてはいずれ語りたいです。

 

回路図作成

ここまで来てようやく回路図を引けるようになります。

設計書ができたタイミング、あるいは作りながら回路を引いていきます。

同時になる場合も多いです。

仕様や部品の選定は回路図を引く前にも決められますが、計算する部分もあるので、そこは回路を引きながら計算の中身を設計書に記述することになります。

 

後工程へ

回路図ができたらアートワーク(基板のパターン設計)に進みます。

ここは回路設計者と違う人や外注業者の場合が多いです。

 

おおまかにですが、こんなイメージです。

 

以上、小田切でした。