発光ダイオード(LED)

意外と考えないといけないLEDの配線

アートワーク(基板設計)で配線を引く時、リセット信号や高速信号線には注意します。

リセット信号はできるだけGNDガードし、それが無理でも高速信号とは並走しないようにします。

高速信号はも同じように可能な限りGNDガードします。

 

そんな中、遅い信号はほとんど考慮しません。

遅い信号とは、スイッチ・ENABLE信号・LEDなどです。

こういうものは時々しか動かず、ほとんどHかLに固定されています。

遅いのでほとんどノイズをまかないのです。

 

が、今回ちょっと問題になってきたのは、LEDがPWM駆動しているという点です。

普通のLEDはON/OFFだけですが、PWM駆動となると下手すると1MHz近い速度で駆動します。

(普通はもっと遅いと思いますが・・・)

そうなると、ノイズをまくようになり、リセット信号と並走するのはちょっとまずくなってきます。

 

当初、LEDはOn/Offだけの予定だったので気にしてなかったのが、PWMになり配線に苦労……というパターンです。

 

ということで、普通は見逃しがちなLED配線ですが、PWM駆動の場合もありますのでご注意を。

 

以上、小田切でした。

発光ダイオード(LED)回路の制限抵抗の計算方法(初心者向け)

発光ダイオードの制限抵抗の計算は基本中の基本!

これがわかると「オームの法則ってどういうときに使うの?」も分かってくるので、結構大事です。

 

発光ダイオードの基本回路

こんなかんじです。

電源とLEDを直結するのではなく、直列に抵抗を入れます。

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なんで制限抵抗が必要か?

とても簡単な話で、LEDというのは抵抗と違って電圧をかけていくと電流がガバッと流れる性質だからです。

たとえば順方向電圧が2.00Vぴったり(20mA時)のLEDがあったとします。

ここに1.50Vかけると、ほとんど流れません。

1.90Vでも流れません。

2.00Vかけると突然20mAながれます。

次2.1Vかけると、40mAとか60mAとか流れちゃいます。

3Vなんかかけたら数百mAとか流れちゃいます。

つまり、順方向電圧よりちょっとでも大きい電圧をかけると大電流が流れてしまうので、それを防ぐために抵抗を入れるわけです。

 

 

制限抵抗の計算方法

具体例があったほうがいいので、秋月電子で売っているLEDで考えてみましょう。

秋月電子ばかりなのは単純に選びやすいからです(笑)

メーカーから選んでもいいんですが、めんどいので。

赤色LEDとして「OSDR5113A」という部品を選んでみます。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-11655/

 

1,電流を決定する

まず流したい電流から決めます。

今回はこのLEDに20mA流したいとします。

 

2,LEDの順方向電圧を調べる

するとデータシートの「DC Forward Voltage」の項目が

Min.1.8V

Typ.2.0V

Max.2.5V

となっています。

ここでは標準値を選択します。

順方向電圧は2.0Vということになります。

 

3,抵抗に掛かる電圧を計算する

今回は電源が5VでLEDの順方向電圧が2.0Vです。

ですから、計算はとっても単純。

抵抗電圧=電源電圧-LEDの順方向電圧=5-2.0=3.0[V]

です。

 

4,抵抗にオームの法則を適用する

オームの法則「V = IR」

単純な式ですが、本当の初心者だとこの式をどういうときに使うのかイメージつかないんじゃないでしょうか?

こういうときに使うんです。

「抵抗にかかる電圧が3.0Vだ」

「その時に抵抗に20mAながしたい」

「こういうときこそオームの法則だ!」

 

ですから今回は、

V=IRを入れ替えて、

R=V/I=3.0[V]/20[mA]=150[Ω]

となるわけです。

 

これで制限抵抗が計算できました。

 

制限抵抗の効果

例えばLEDの順方向電圧がMinの1.8Vになったとしましょう。

そうすると、抵抗に流れる電流は

I=V/R=(5-1.8)[V]/150[Ω]=3.2[V]/150[Ω]=21.33[mA]

になります。

制限抵抗があるとLEDの順方向電圧が変わっても、電流値は少ししか変化しなくなるわけです。

これが制限抵抗の効果です。

もし、「LEDの順方向電圧が2.0Vだから2.0Vの電源を作って直結しよう」なんて考えていたら、LEDの順方向電圧が少し変動しただけで大電流が流れてLEDが壊れてしまいます。

 

以上、小田切でした。

発光ダイオード(LED)とは? 記号と特徴(初心者向け)

発光ダイオードについて説明します。

長いので普通は「発光ダイオード」の英語名の省略である「LED」で呼びます。

 

発光ダイオード(LED)の特徴

「ダイオード」と付くからには電流を一方向にしか流さない特性を持っています。

しかし、ただのダイオードと違って「発光」するわけです。

電流を流すと光ることから、昔は電球を使っていた部分にこの発光ダイオードを使います。

元々は状態表示に使うだけでしたが、大電力対応の発光ダイオードも登場して、今では「LED照明」なんていうのもありますよね。

 

ちなみに、「光るだけで普通のダイオードと同じか?」と聞かれると、全然違います。

基本的にダイオードとしてLEDを使うことは出来ません。

 

・LEDは逆方向電圧が5V程度と低い

普通のダイオードは数十ボルトから数千ボルトの逆方向電圧に耐えるので、逆流防止に使うことが出来ます。

しかしLEDは逆方向電圧が低いので、LEDを逆流防止に使うことは非現実的です。

 

・LEDは流せる電流が小さい

照明用LEDは別として、普通のLEDなどは20mA程度しか流せません。

普通のダイオードは数A流せるものが普通にあるので、全く比較になりません。

 

・LEDは電圧降下が大きい

普通のダイオードであれば0.6V以上、ショットキーバリア―ダイオードでは0.2V以上の電圧降下が発生します。

それに対して、LEDは赤色で2V以上、緑・青・白では3V以上の電圧降下が発生します。

LEDを逆流防止に使ったら、5Vいれても3Vになってしまうので非効率過ぎて使えません。

 

こんなかんじで、LEDはあくまで光らせるためのものであってダイオードの互換品ではないということです。

(無理やり使えば使えないことはないけれども、普通はそんな無意味なことはしない)

 

発光ダイオード(LED)の記号

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こんな記号です。

ダイオードに発光を示す記号がついただけです。

普通のダイオードと同じように「アノード」「カソード」の呼び名も同じです。

 

発光ダイオード(LED)の電流の向き

覚えてもらいたいのは、発光ダイオードもダイオードの一種だということ。

ですから、普通のダイオードと電流が流れる向きは同じです。

アノードからカソードです。

アノードにプラス極、カソードにマイナス極を接続すれば光るわけです。

(電池直結すると過電流でLEDが痛むので、直結は駄目ですよ)

逆に接続すると電流が流れず光りません。

 

以上、小田切でした!