CPUにはいろんな用語が頻出します。
その中でもパット見わかりにくい単語「POR」。
これなんでしょう。
これは
Power On Reset
の略語です。
読んで字のごとく、「電源ONリセット」です。
これの説明の前に、リセットの説明をしないといけません。
CPUをリセットするとすべてのレジスタに初期値が代入され、いつでも同じ状態になります。
つまり、いつどんな時でもリセットすれば「初期状態」になるわけです。
この機構があるからプログラムが正常に動作するのです。
毎回状態が変わっていたらプログラムの動作状況が変わってしまいます。
そのため、CPUの動作を開始する前には必ずリセットを掛けないといけません。
で、そのリセットをかけるためにはリセットピンを制御しないといけません。
通常、リセットピンはLにすることでリセットがかかりますので「電源を入れた後にリセットピンをLにして、しばらくしてからHにする」という動作が必要になります。
つまり、CPUとは別にリセットピンを制御するための機構が必要になります。
これはコンデンサや抵抗・ロジックICなどを組み合わせて作ることも出来ますし、専用のICを使うことも出来ます。
……でも、面倒だし、余計な部品が必要でコストも掛かるのでいやなんです。
ということで、最近のCPU(MPU)には、たいていPower On Resetという、電源がONになったら自分でリセットしてくれる便利な機能が入っています。
これですと、上記の回路が不要になるので楽なんです。
ただし、「POR」がないCPU(MPU)も世の中にはあります。
ということで、データシートを見るときにはPORをチェックしましょう。
ないと……ちょっと面倒ですよ。
以上、小田切でした。