発光ダイオードの制限抵抗の計算は基本中の基本!
これがわかると「オームの法則ってどういうときに使うの?」も分かってくるので、結構大事です。
発光ダイオードの基本回路
こんなかんじです。
電源とLEDを直結するのではなく、直列に抵抗を入れます。
なんで制限抵抗が必要か?
とても簡単な話で、LEDというのは抵抗と違って電圧をかけていくと電流がガバッと流れる性質だからです。
たとえば順方向電圧が2.00Vぴったり(20mA時)のLEDがあったとします。
ここに1.50Vかけると、ほとんど流れません。
1.90Vでも流れません。
2.00Vかけると突然20mAながれます。
次2.1Vかけると、40mAとか60mAとか流れちゃいます。
3Vなんかかけたら数百mAとか流れちゃいます。
つまり、順方向電圧よりちょっとでも大きい電圧をかけると大電流が流れてしまうので、それを防ぐために抵抗を入れるわけです。
制限抵抗の計算方法
具体例があったほうがいいので、秋月電子で売っているLEDで考えてみましょう。
秋月電子ばかりなのは単純に選びやすいからです(笑)
メーカーから選んでもいいんですが、めんどいので。
赤色LEDとして「OSDR5113A」という部品を選んでみます。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-11655/
1,電流を決定する
まず流したい電流から決めます。
今回はこのLEDに20mA流したいとします。
2,LEDの順方向電圧を調べる
するとデータシートの「DC Forward Voltage」の項目が
Min.1.8V
Typ.2.0V
Max.2.5V
となっています。
ここでは標準値を選択します。
順方向電圧は2.0Vということになります。
3,抵抗に掛かる電圧を計算する
今回は電源が5VでLEDの順方向電圧が2.0Vです。
ですから、計算はとっても単純。
抵抗電圧=電源電圧-LEDの順方向電圧=5-2.0=3.0[V]
です。
4,抵抗にオームの法則を適用する
オームの法則「V = IR」
単純な式ですが、本当の初心者だとこの式をどういうときに使うのかイメージつかないんじゃないでしょうか?
こういうときに使うんです。
「抵抗にかかる電圧が3.0Vだ」
「その時に抵抗に20mAながしたい」
↓
「こういうときこそオームの法則だ!」
ですから今回は、
V=IRを入れ替えて、
R=V/I=3.0[V]/20[mA]=150[Ω]
となるわけです。
これで制限抵抗が計算できました。
制限抵抗の効果
例えばLEDの順方向電圧がMinの1.8Vになったとしましょう。
そうすると、抵抗に流れる電流は
I=V/R=(5-1.8)[V]/150[Ω]=3.2[V]/150[Ω]=21.33[mA]
になります。
制限抵抗があるとLEDの順方向電圧が変わっても、電流値は少ししか変化しなくなるわけです。
これが制限抵抗の効果です。
もし、「LEDの順方向電圧が2.0Vだから2.0Vの電源を作って直結しよう」なんて考えていたら、LEDの順方向電圧が少し変動しただけで大電流が流れてLEDが壊れてしまいます。
以上、小田切でした。