電子回路は意外とアバウトなシロモノであることについて

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閑話休題的な話。

 

電子回路というのは「きっちり」したものだと大抵の人は思っています。

しかし、エンジニアは知っています。

「適当なもの」だと。

 

そして、適当なものだからこそきちんと動かすのが面倒だと。

 

たとえば、古典的なタイマーIC(555)とかで時間を測るとしましょう。

これはコンデンサに電荷がたまる時間で時間を計測します。

しかしコンデンサというのは普通に誤差が20%ぐらいあったりします。

なので、1分を測定しようとして設計したのに、ものによっては50秒になってしまったり、ものによっては1分10秒になってしまうわけです。

想像以上に適当な感じなのです。

 

抵抗だって5%も誤差があって、インダクタだって10%以上の誤差があって、CMOSのスレッショルドでさえ誤差があります。

その上、すべての要素が温度や経時変化でさらに変化します。

 

実は電子回路の中できっちりしていて精度の高いものは非常に限られています。

ハッキリ言って水晶振動子ぐらいです。

こいつは誤差が「20ppm(100万分の20)」とかなので、コンデンサなどで時間計測するのに比べて飛躍的に精度が上がります。

ほとんどの電子機器はCPUに水晶振動子が付いています。

だから、水晶振動子でクロックを刻んでいるから正確なのです。

水晶振動子を使用しない時間を測定する仕組みはどれも精度が数%程度です。

 

それ以外はすべて適当です。

高精度抵抗でも1%、そこそこ高精度な電源でも2%程度のずれはあります。

つまり、量産品は個別に調整しない限り、すべての部品で%単位のズレが発生してしまうわけです。

製品全体ではそれ以上のズレが発生することになりますが、それでも製品として成り立つようにしないといけません。

 

ということで、電子回路というものは「きっちりしたものを組み立ててきっちりしたものを作る」のではなく、

「誤差が大きくておおざっぱな物を組み立てて、それでもきちんと動くように考えるのが設計の仕事」

と考えてもらうと現実に近いかと思います。

 

以上、小田切でした。

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