基板の各部をテスターで当たって「ショートをチェックする」というときがあると思います。
しかし、思いませんか?
「ショートっていうけど、何Ωならショートなんだ?」
0Ωならもちろんショートですが、実際はそんなことはありません。
どんなに小さくても0.7Ωなど、少しの抵抗値はあります。
1Ωはショート?
10Ωはショート?
100Ωはショート?
実は絶対値がありません。
その回路によります。
例えば、意図的なショートがあります。
「ショートが正解」のケースです。
ある電源と別の電源を1Ω抵抗で接続しているなど。
そのときは、その1Ω+測定誤差の範囲内がショートになります。
不具合によるショートもあります。
「ショートが不正解」のケースです。
このときは逆に「正解」を決めてから、ショートの意味を決めます。
例えば、正常状態で抜き取り検査をして抵抗値が1kΩ±50Ωの回路があるとしましょう。
すると、ショートとは明らかにこれより小さい場合になります。
もしココが具体的な抵抗などで決まっているのであれば、この値からずれるわけがありません。
なので、「950Ω以下はショート」と決めてしまっても良いわけです。
しかし、電源回路の+とーの場合はコンデンサの特性のばらつきなどで大きく変化してしまうので、あまり厳しくしてしまうと今後正常品が不良になってしまうかもしれません。
ということで、十分余裕をもたせます。
ここはその会社によると思いますが、500Ω,100Ω,50Ωなど1kΩより十分に小さな値にします。
つまり、「想定している値より小さければショート」ということにしてしまうのです。
こんな風に、場合によってショートが示している抵抗値はかなり変わります。
以上、小田切でした。