初心者向けに。
回路の勉強を始めると、ハイインピーダンス状態の信号線のレベルを確定するためのプルアップ抵抗やプルダウン抵抗に出くわすと思います。
プルアップ抵抗・プルダウン抵抗の詳しい説明はここではしません。
それで、プルアップ・プルダウンの意味が理解できたとして、そこで困りませんか?
「意味はわかったけど、何Ωを使えばいいの?」
先に正解を言ってしまうと、回路の特性によりけりですが、殆どの場合4.7kとか10kあたりで問題ありません。
例として、すごく簡単な回路を使います。
[IC1の出力ピン]—[IC2の入力ピン]
信号レベル:3.3V
IC1の出力:H/L/Z(ハイインピーダンス)
入力ピンと出力ピンを直結するだけ。
だたし、出力ピンはハイインピーダンスがある。
このハイ・インピーダンスは避けたいので、途中の配線にプルアップかプルダウンを入れるというパターンです。
まず、最大値を考えましょう。
もし本当のハイインピーダンスだったら抵抗値無限大なので、1ギガΩみたいな値を使っても大丈夫です。
しかし、実際にはピンの漏れ電流があります。
ここでは1uAとしましょう。
そうすると、3.3MΩの抵抗値を使うと、漏れ電流だけで3.3Vスイングしてしまいます。
そうなると、これよりは小さくないといけません。
10分の1の330kΩで0.33Vです。
これぐらいの値なら大丈夫そうですね。
ということで、最大値は100kΩ~1MΩの間ぐらいとなります。
次に最小値を考えましょう。
最小値は出力ICの駆動能力次第です。
ここでは10mAとしましょう。
3.3Vで10mAが流れるのは330Ωです。
ということで、330Ωの抵抗はぎりぎり駆動できることになります。
ということで、330Ω~(100k-1Mの間)となります。
1k,2,2k,4,7k,10k,22k,33k,47k,100k…どれでもいけます。
とまぁ、ここまでこうやって考えてきましたが、実際にはこんな考察をあまりしません。
会社ごとによく使っている組み合わせというものがあって、だいたいそれにしてしまいます。
ある会社は10kΩ。
ある会社は4.7kΩ。
そんな感じです。
実際にこれは上記の考察の中間値なので、妥当な値です。
ということで、何も考えたくないときは4.7kや10kを使って置けばだいたい問題ありません。
気になるときは漏れ電流と駆動電流から自分で計算してみましょう。
以上、小田切でした。