信頼性試験で実施する静電気試験ですが、試験のためだけでなく実際の現場でも静電気は飛ぶので、この対策は非常に重要です。
ということで、代表的な静電気対策を簡単に列挙したいと思います。
◯電源
まずは電源です。
電源は静電気だけでなく雷サージなどもあるので、高電圧の対策は必須です。
そして、この部分は逆刺しの可能性も考慮して、双方向の高電圧保護部品である「バリスタ」を使用することが多いです。
普通のツェナーダイオードですと電源逆刺しの際に、ツェナーダイオードに大電流が流れて破損してしまいます。
◯インターフェース部
コネクタ類です。
コネクタに人が触れる場合などに静電気が飛んできます。
なので、インターフェースの各線にはツェナーダイオードかクランプダイオードを入れます。
普通のデジタル信号線には負電圧が入ることがありませんので、双方向の保護素子であるバリスタは必要とされません。(使ってもわるくないけど)
ツェナーダイオードはGNDと信号線の間に入れ、ツェナーダイオードの降伏電圧以上の電圧をGNDに逃がすようにします。
クランプダイオードは、「信号線とGND」と「信号線とVCC」に入れ、VCC以上またはGND以下の電圧をGNDやVCCに逃します。
◯人が触れる部分
スイッチなどです。
ここもツェナーダイオードかクランプダイオードを入れます。
◯基板外周
基板はたいてい筐体に入りますが、筐体の隙間から静電気が入ってくることが有ります。
なので、基板の最外周に部品があるとそこに静電気が飛んだ時に部品が壊れてしまいます。
最外周をGNDにしておくことで、筐体の隙間から飛んできた静電気がGNDに逃げるようにします。
◯ネジ穴周辺
ネジ穴も静電気が飛んでくる場所です。
なので、基板に開いているネジ穴の近くにGNDではなく部品があると、部品を壊します。
ネジ穴はまずGNDを置いて、そのまわりに部品を配置します。
◯金属部は部品から離す=GNDに接続する
金属がある製品だと、静電気はまず金属に飛びやすいです。
なので、金属の近くに部品があるとそこを静電気が通ったときに部品を壊します。
金属はGNDに接続するなどして、静電気が部品を通らないように配慮します。
代表的なところではこんなところでしょうか。
以上、小田切でした。