CPUのデータシートを見ていると、

「2 x ADC」とか「3 x UART」とか書いてあります。

これはわかりやすいですね。

「ADコンバータが一個載っています」

「UART通信用の周辺回路が3個載っています」

これは困らないんです。

 

紛らわしいのは、「ADC 6 channel」とか書いてあるものです。

「え、6 x ADCと同じじゃないの?」

そう思った方、それが違うんです。

 

CPUのデータシートの慣例として、

「2 x ADC」と書いてあれば、その回路が二つ内蔵されているという意味になります。

こう書いてある場合、ADCの回路が二つあるわけですから、二つのアナログ入力を同時に監視できるわけです。(特別な制約がない場合。CPUは結構例外多いので油断できません)

 

では「ADC 6 chennel」と書いて有る場合、ICの中身はどうなっているでしょうか。

ADCに数が書いてありませんので、恐らくADCの回路は一つしか入っていません。

ADCの回路が一つしか無いのに「6チャンネル」とはこれ如何に。

これは、入り口が6個あるということです。

つまり、CPUのピンのうち6個をADC入力として使えるということです。

どのポートを中身のADCに接続するかをソフトウェアから指示して初めて使えるわけです。

6個のアナログ入力ピンにそれぞれアナログを入力できますが、ADC回路が一つしか無いので同時に一つしか見ることが出来ないのです。

高速でチャンネルを切り替えていけば、ほぼリアルタイムで見ることができるかもしれませんが、CPUが非常に忙しくなってしまいますし、それでは最高速度で監視ができません。

ということで、常に見張っていないといけない高速なアナログ値が複数ある場合はこれは困るということです。

でも時々見ればいいアナログ値(例えば電池電圧)であればこれで十分なわけです。

 

以上、小田切でした。