検索ワードを調べていた所、「コンデンサ 容量 決め方」という検索ワードが合ったので、ちょっと書いてみることにしました。
おそらく容量を決めるのに困るのは電源に使うパスコンのことだと思います。
いわゆるフィルターに使うコンデンサというのは、周波数特性を決めれば計算できますから困らないはずです。
(そういうの簡単に計算できるサイトもありますしね)
自分もそうでしたが、初心者の時に一番困ったのはバイパスコンデンサ、いわゆるパスコンの容量の設定でした。
ノイズを吸収したり、電源のふらつきを抑制するためのコンデンサですが、さてどうやって決めるのでしょうか。
経験(過去の回路のコピペ)
いきなりざっくりで申し訳ない。
しかし、結構このパターンはあります。
なにか計算根拠があるわけでなく、単純に「前はこの回路で動いた。コピペして同じ回路にすれば大丈夫だろう」というやつです。
そんなのでいいのかと言われるかもしれませんが、実際の所結構あるんですよ。
一から回路を組んでいるとそれなりに時間がかかるので、昔の回路の一部をコピペして使うのはよくある手です。
データシートに記載がある場合
電源ICや高速ICになるとだいたいデータシートにコンデンサの接続例と容量が載っています。
特別な理由がない限り、そこはそのままにします。
というのは、なにかあったときに「お宅の推奨例にそってやったのにおかしいんだけど?」と部品メーカーに文句つけられるからです。
嘘に思えるかもしれませんが、これは本当です。
なにかあると部品メーカーとやり合わないといけないので、「推奨されている使い方を守っている」という形にすることが大事です。
データシートに記載がない場合
例えばロジックIC。(NOTとかANDとか)
他にも低速なICや、オペアンプ・コンパレータなどのアナログ部品など。
こんなものはデータシートにパスコンの推奨容量が載っていない場合が多いです。
そんなときは、基本的に0.1uFを付けてしまいます。
「0.1uFで本当にいいのか?」と言われると、悩んでしまいますが……
村田の1005 0.1uF/50Vの積層セラミックコンデンサの自己共振周波数を調べると、約30MHzです。
ということはそれ以下の周波数ならほぼ問題ないわけです。
実際問題、こういった部品は数MHzまたは数Hzなどの低速動作なのであまり問題にならないわけです。
残りは大電流ライン
データシートに記載があるICは記載にならいました。
データシートに記載がないICは0.1uFつけました。
これで正直、動いちゃいます。
(それで動くように部品は設計されているので)
しかし、やっぱり最低限過ぎて怖いので、実際にはもう少しコンデンサを追加します。
追加するラインは大電流ラインです。
まず、電源大元。
ACアダプタなどで入ってくるラインです。
1A程度の機器であれば数百uF~1000uF程度をつけることが多いです。
(これは電源のバッファ用で高周波特性はいらないので、安いアルミ電解コンデンサを使います)
ただ、小型化に伴ってアルミ電解コンデンサを実装する面積・高さがない場合もあります。
その際には積層セラミックコンデンサを実装しますが、価格・面積的にそんな大容量はとれません。
積層セラミックの場合はだいたい100uF以下でOKとしてしまいます。
実際、これで問題が出たことはありません。
次に電流を使用する部品です。
例えばブザーです。
ブザーにコンデンサを付けるという発想がない方もいらっしゃるかもしれませんが、ブザーは激しくON/OFFを繰り返すので電流変動が酷いです。
なので、ブザー近辺に10uF程度の積層セラミックをつけることが多いです。
また、当然モーターやモータードライバにもコンデンサを追加します。
と、まぁ、こんな感じです。
データシートに記載されていない部分については、その会社内での「常識」による所が結構大きいです。
その会社内で「問題がなかった」という実績がある値です。
以上、小田切でした。