コンデンサの種類と周波数特性

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コンデンサはいろいろあるけど、基本的な使い分けには周波数特性が大事。

ということで、周波数特性についてまとめてみました。

今回は中級者以上向け。

 

周波数特性(自己共振周波数)

コンデンサの周波数特性=自己共振周波数とほぼ考えてよし。

要は寄生インダクタが効いてしまってコンデンサとして使えなくなる周波数のことです。

この周波数以下なら使えるので、ここだけみればだいたい大丈夫です。

 

概要

下の村田のページ図4をみれば一発。

https://www.murata.com/ja-jp/products/emiconfun/capacitor/2011/04/14/en-20110414-p1

図4は周波数とインピーダンスのグラフになっています。

理想コンデンサなら、周波数が上がるに連れどんどんインピーダンスは下がっていくはずなのに……

 

アルミ電解コンデンサ:1kHzあたりで下げ止まっています。そのあとはほとんど下がっていません。ESRが大きすぎて、自己共振周波数が見えていませんね。

 

タンタル電解コンデンサ:自己共振周波数は約2MHz。ESRはアルミ電解よりずっと小さい。

 

積層セラミックコンデンサ:自己共振周波数は約2MHz。ESRはタンタルよりさらに小さい。

 

タンタルはいまどき使わないですが、とにかくアルミ電解コンデンサと積層セラミックの圧倒的な実力差が見えます。

 

 

アルミ電解コンデンサ

アルミ電解コンデンサの自己共振周波数はいろいろな文書でだいたい100kHz程度とされています。。

しかし、実際にはコンデンサの品種によってぜんぜん違うはずなのに、データシートに書いてないことがおおいのが現実です。

例えば、代表的な電解コンデンサであるニッケミSMGのデータシート。

http://www.chemi-con.co.jp/catalog/pdf/al-j/al-sepa-j/004-lead/al-smg-j-170401.pdf

 

このデータシートを目の皿のようにしてくまなく見てもらいたのですが、自己共振周波数の記述がありません。

積層セラミックとかは記述があるのに、電解コンデンサはそういう細かい特性が書いていないことが多いんですよね。

ただ、よくよく見ていくといろいろな定格が120Hzで規定されていることに気がつきます。

120Hzの仕様が掲載されているということは、逆に言うと高周波特性はあまり期待出来なさそうな雰囲気がします。

現役の部品でもこの程度のデータシートしか無いので困ってしまいます。

 

とにかくここから見えてくるのは、具体的な部品の特性は「結局よくわからない!」ということです。

見えてくるのは精々120Hzの特性程度。

アルミ電解コンデンサにたいして無条件に「100kHz程度まで使える」と考えるのは危険なようです。

現実的には周波数特性が全く問題にならない用途「電源大元のバッファ用」程度にしか怖くて使えません。

DCDCの出力は数MHzになるので間違いなく使えませんね。

 

導電性高分子アルミ電解コンデンサ

こちらニッケミの導電性高分子アルミ電解コンデンサのデータシート。

http://www.chemi-con.co.jp/catalog/pdf/al-j/al-sepa-j/002-cp/al-psf-j-170401.pdf

 

こちらも自己共振周波数の記述がありません。

ただし、いろいろな仕様が100kHzで規定されているので、少なくとも100kHz程度では使えるということがわかります。

 

 

積層セラミックコンデンサ

自己共振周波数を気にするような回路だと必然的にこれになっちゃいます。

なぜならデータが揃っているから。

ほかのコンデンサメーカーもデータを揃えてもらいたいんですが。

 

積層セラミックコンデンサなら村田ですが、積層セラミックも温度保証用と高誘電率系でかなり特性が違います。

サイズは1005に固定して、それぞれのタイプの容量別の自己共振周波数を見てみましょう。

 

◯温度保証型

1pF 100V (GRM1554C2A1R0BA01):  約7.2GHz

100pF 100V (GRM1552C2A101GA01): 約800MHz

4700pF 10V (GRM1557U1A472JA01): 約120MHz

 

◯高誘電率系

220pF 50V (GRM155B11H221KA01): 約600MHz

0.1uF 50V(GRM155B31H104KE14): 約30MHz

10uF 4V (GRM155R60G106ME44): 約2MHz

 

見ての通り、同じ1005サイズでも容量によってまったく自己共振周波数が違います。

1pFなんて7GHzなんてところまで使えるのに対し、10uFではたった2MHzです。

(それでもアルミ電解よりはずっといいにちがいありませんが)

 

 

まとめ

アルミ電解コンデンサは120Hzしか仕様が規定されていません。

電源のバッファのような周波数特性が問題にならないところにしか使えません。

 

導電性高分子アルミ電解コンデンサは100kHzで仕様が規定されています。

100kHz程度のDCDCコンバータまでなら使えます。

 

積層セラミックコンデンサは全ての部品に対して自己共振周波数が分かります。

例えば「0.1uF 50V 1005」のコンデンサでは自己共振周波数は30MHzですので、100MHzのICのパスコンには力不足なことがわかります。

フィルタする周波数に合わせて、自己共振周波数を調べる必要があります。

 

以上、小田切でした!

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