抵抗

CPUの入力ピンにプルアップ・プルダウンをつけないと何がいけない?(初心者向け)

CPUの入力ピンやその他のICの入力ピンには、基本的にプルダウン抵抗かプルアップ抵抗をつなげないといけません。

 

「プルアップかプルダウンしないと、HighかLowか決まらないからでしょ。でも、使ってない機能とかHighでもLowでもどっちでもいいピンはどうでもいいんじゃない?」

 

と思うかと思いますが、そうじゃないんです。

デジタル回路は「High」か「Low」しかないんです。

中間値というのはないんです。

中間値を入れると大げさでなく壊れることが有ります。

中間の電圧を入れるとデジタル回路ないの回路構成上、IC内で電源とGNDがショートした形になり、大電流が流れてICが破損するのです。

(なので、HighからLowへの変化もあまりゆっくりだと問題がでます。変化も早くないといけません)

 

なので、全く使っていなくて「どっちでもいい」ピンであっても、かならずプルアップかプルダウンをいれましょう。

CPUの場合は出力ピンにすることでプルアップ・プルダウンが不要になりますが、入力しかできないピンはやはりプルアップ・プルダウンが必要です。

 

なお、プルアップ・プルダウンが内蔵されている場合は、外で抵抗を付けても着けなくてもいいですが、内蔵と逆方向に着けないように気をつけましょう。

 

以上、小田切でした。

プルアップ抵抗・プルダウン抵抗の値の決め方は?(初心者向け)

初心者向けに。

回路の勉強を始めると、ハイインピーダンス状態の信号線のレベルを確定するためのプルアップ抵抗やプルダウン抵抗に出くわすと思います。

プルアップ抵抗・プルダウン抵抗の詳しい説明はここではしません。

 

それで、プルアップ・プルダウンの意味が理解できたとして、そこで困りませんか?

 

「意味はわかったけど、何Ωを使えばいいの?」

 

先に正解を言ってしまうと、回路の特性によりけりですが、殆どの場合4.7kとか10kあたりで問題ありません。

 

例として、すごく簡単な回路を使います。

 

[IC1の出力ピン]—[IC2の入力ピン]

信号レベル:3.3V

IC1の出力:H/L/Z(ハイインピーダンス)

 

入力ピンと出力ピンを直結するだけ。

だたし、出力ピンはハイインピーダンスがある。

このハイ・インピーダンスは避けたいので、途中の配線にプルアップかプルダウンを入れるというパターンです。

 

まず、最大値を考えましょう。

もし本当のハイインピーダンスだったら抵抗値無限大なので、1ギガΩみたいな値を使っても大丈夫です。

しかし、実際にはピンの漏れ電流があります。

ここでは1uAとしましょう。

そうすると、3.3MΩの抵抗値を使うと、漏れ電流だけで3.3Vスイングしてしまいます。

そうなると、これよりは小さくないといけません。

10分の1の330kΩで0.33Vです。

これぐらいの値なら大丈夫そうですね。

ということで、最大値は100kΩ~1MΩの間ぐらいとなります。

 

次に最小値を考えましょう。

最小値は出力ICの駆動能力次第です。

ここでは10mAとしましょう。

3.3Vで10mAが流れるのは330Ωです。

ということで、330Ωの抵抗はぎりぎり駆動できることになります。

 

ということで、330Ω~(100k-1Mの間)となります。

1k,2,2k,4,7k,10k,22k,33k,47k,100k…どれでもいけます。

 

とまぁ、ここまでこうやって考えてきましたが、実際にはこんな考察をあまりしません。

会社ごとによく使っている組み合わせというものがあって、だいたいそれにしてしまいます。

ある会社は10kΩ。

ある会社は4.7kΩ。

そんな感じです。

実際にこれは上記の考察の中間値なので、妥当な値です。

 

ということで、何も考えたくないときは4.7kや10kを使って置けばだいたい問題ありません。

気になるときは漏れ電流と駆動電流から自分で計算してみましょう。

 

以上、小田切でした。

ダンピング抵抗とは?

ダンピング抵抗とは信号配線に入れる抵抗のことです。

たとえばICとICをつなぐ信号線、直接繋いでもいいのに、製品の回路を見ていると抵抗が入っていたりしませんか?

そういうのがダンピング抵抗です。

 

ダンピング抵抗の役割は大きく2つあります。

 

◯波形の成形

配線にはインダクタ成分があるので、電流が流れ続けようとすることにより、

オーバーシュートなどの意図しない電圧が発生します。

配線に抵抗成分があると電流が流れにくくなるのでオーバーシュートなどが小さくなります。

ということで、オーバーシュート・アンダーシュートを減らすためにダンピング抵抗を使います。

でも、大きくすると駆動力が小さくなるので今度は波形がなまります。

 

◯静電気・活線挿抜からの保護

コネクタからICに配線される場合にその配線にダンピング抵抗を入れます。

基本的に普通のコネクタは活線挿抜(電源入れたままの抜き差し)は禁止ですが、実際にはやられることがあります。

そのときにやはり配線のインダクタ成分により、大きな電圧が瞬間的に発生します。

その電圧から保護するために抵抗を入れているわけです。

また、静電気にもきも~ち効くかも?ということで入れてあります。

(静電気に対処するには当然ちゃんとした対策部品と組み合わせます)

 

ということで、ダンピング抵抗は非常に大事です。

ダンピング抵抗が全然入っていない回路図を自分が見ると「素人かよ」と毒舌を吐きますのでご注意下さい。

とはいえ、あまり大きな抵抗を入れると波形がなまりますので、加減が大事です。

だいたい10~100Ωくらいが普通です。

実際の波形を見て問題がないことを確認しましょう。

 

以上、小田切でした。

抵抗のラインナップは?(初心者向け)

抵抗というのは自由に選べるわけではありません。

ラインナップが決まっています。

 

ええっと、手抜きしてWikipediaのリンクを張ります。

まずはここを見ましょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%99%E6%BA%96%E6%95%B0

 

そして、普通の抵抗は5%精度なので、E24系列です。

Wikipediaを見てもらえると、

10,11,12,13,15,16…91と書いてあると思います。

ということは、普通の抵抗は1Ω~1MΩ程度のラインナップはありますので、

***************

1.0Ω,1.1Ω,1.2Ω,1.3Ω,1.5Ω,1.6Ω…9.1Ω

10Ω,11Ω,12Ω,13Ω,15Ω,16Ω…91Ω

100Ω,…910Ω

..

..

100kΩ,110kΩ,120kΩ,130kΩ,150kΩ,160kΩ…910kΩ

1MΩ

*************

というラインナップなわけです。

 

1%の高精度抵抗になると、E96系列です。

E96系列では

100,102,105,107…ですので、

************

1.00Ω,1.02Ω,1.05Ω,1.07Ω…

100kΩ,102kΩ,105kΩ,107kΩ…

1MΩ

************

というラインナップなわけです。

 

以上、手抜きな解説の小田切でした。

抵抗の消費電力の計算方法(初心者向け)

とっても簡単。

 

消費電力P[W]=V[V]xI[A]

 

この式が全てです。

その抵抗にかかった電圧と電流を掛け算すればいいだけです。

しかも、抵抗の場合は抵抗値が分かっているので、電流だけ・あるいは電圧だけから計算できます。

 

電流が分かっている時

オームの法則から、

V[V]=I[A]xR[ohm]

ですから、これを代入します、

 

P = VxI = IxRxI = I2R

 

電圧が分かっている時

オームの法則を変形して、

I = V/R

これを代入します。

 

P = VxI = V x V/R = V2R

 

これだけです。

以上、小田切でした!