あ
アートワーク
回路図を実際に基板の上に配線としてデザインすること。
回路設計とはCADなどが違うため、回路設計者とは違う人がやることが普通。
アルミ電解コンデンサ
安くて大容量でもっともポピュラーなコンデンサ。
ただし、自己共振周波数が数百kHz以下でESRも大きいので、昨今の高速デジタル回路のノイズは吸収できない。
電源部に使用したり、積層セラミックコンデンサと組み合わされて使用されることが多い。
アレスタ
避雷器のこと。
中身はガラス管やバリスタなどのサージ吸収素子が入っている。
アレニウスの法則
電解コンデンサの寿命を計算する際に使う法則。
電解コンデンサは10℃温度が下がると寿命が2倍になるという法則。
85℃ 1000時間の部品は、75℃で2000時間、65℃で4000時間・・・と使用温度が下がるほど寿命が増えていく。
アンダーシュート
波形が立ち下がる時に想定以上に電圧が瞬間的に低下すること。
例:3.3V→0Vに変化する時に、瞬間的に-2Vになるなど
配線にインダクタ成分があるため、電圧が0Vに達した後も電流を引き続けてしまい、0V以下の電圧が発生してしまう。
い
インダクタ
コイルのこと。
イミュニティ
電気機器が電気的ストレス(電界、磁界、電圧、電流)に耐えうる能力のこと。
これが低いと、外部ノイズで簡単に誤動作したり壊れてしまう。
インピーダンス
抵抗値の概念を交流成分にまで広げたもの。
「この機器は50MHzの信号に対してインピーダンス50Ωだ」みたいに表現する。
特定の周波数に対してその部分がどういう抵抗値(+位相ずれ)に見えるかを表現している。
周波数が変わればインピーダンスは変わることがある。
インピーダンスコントロール
アートワーク時に配線の太さやGNDとの距離をコントロールして、配線の特性インピーダンスを制御すること。
普通はそんなことをしないので、配線の特性インピーダンスは場合によってばらばらになる。
う
ウィスカ
金属表面に金属の結晶が針状に成長すること。
ICの端子などにこれが生じると端子同士でショートが発生して故障の原因になる。
長期間運用する機器ではこれが問題になることがある。
え
エラッタ
CPUなどのIC部品の設計にもソフトウェアと同じようにバグが有る。
そういったハード的なバグを「エラッタ」と呼ぶ。
お
オーバーシュート
波形が立ち上がる時に想定以上の電圧が瞬間的に発生すること。
例:0→3.3Vに立ち上がる時に、瞬間的に5V以上発生する等
配線にインダクタ成分があるため、電圧が3.3Vに達した後も電流が流れつづけてそれ以上の電圧が発生してしまう。
オペアンプ
二つの入力の差異を(理論的には)無限大に増幅するIC。
ここに抵抗やコンデンサを組み合わせて「負帰還」というものをかけることで、自由な倍率の増幅ができる。
消費電力・周波数特性・精度などによってとんでもないバリエーションが有り、一から選ぶとなるとけっこう大変。
温度特性
水晶振動やコンデンサなどは温度により周波数や容量が変化する。
そういった温度による特性変化を「温度特性」という。
殆どの部品は温度で変化するが、抵抗だけはほとんど変化しない。
温度サイクル試験
製品を恒温槽に入れて、低温と高温を繰り返す試験のこと。
か
活線挿抜
電源を入れたままケーブルの抜き差しをすること。
USBなどがこれにあたる。
電源を入れたまま抜き差ししても問題ないようにするためには、コネクタを差し込む際に最初にGNDが当たるようなコネクタにする必要がある。
(USBやSDカードはそういう設計になっている)
カップリングコンデンサ
アナログ信号の交流信号だけを伝えるために挟み込まれるコンデンサのこと。
オーディオや無線回路でよく使用される。
き
寄生容量
導体が二つ近くにあるだけでコンデンサは出来てしまう。
ということは、基板のパターンとパターンの間にもコンデンサは出来てしまうし、部品の中の配線と配線の間にもコンデンサが出来てしまう。
要は回路のいたるところに小さなコンデンサが出来てしまうので、それらを「寄生容量」と呼ぶ。
基板間コネクタ
基板と基板を接続するための特殊なコネクタ。
基板1の表と基板2の裏に実装して2枚の基板を平行に接続するものと、
基板1の表と基板2の隅に実装して2枚の基板をL字型に接続するものがある。
逆方向電流
ダイオードで電圧を逆にかけた場合に流れてしまう電流のこと。
通常のダイオードであればuAオーダーだが、大電流に対応したショットキーバリアダイオードなどではmAオーダーになることがある。
許容損失
その部品が耐えられる発熱量(=消費電力)のこと。
主にレギュレータなどで規定されている事が多い。
これを超えてしまうと加熱で部品が破損する。
金メッキ
金属を直接空気に晒すと錆びてしまうため、コネクタなどを金メッキにすることが多い。
また、基板であってもネジとの導通などのために銅箔をむき出しにすることがあり、そこに対してサビ防止で金メッキをすることがある。
く
クラック
ヒビのこと。
電子回路でよく話題になるのが「積層セラミックコンデンサのクラック」
積層セラミックは力がかかると割れてヒビが入り不良になる。
基板のソリなどに気をつける必要がある。
グランド(グラウンド)
地面のこと。
地面の電位を0Vとすることが多いので、DC電源のマイナス極のことをグランドと呼ぶことが多い。
グランドといいながら、本当に地面に接している場合は少ない。
筐体のことをフレームグランド(FGND)ともいう。
クリーム半田
表面実装品の実装で使用されるハンダ。
ペースト状のハンダで、塗布したあとに熱を加えることで普通のハンダになる。
こ
コイル
線を巻き巻きしたもの。
電流を流すと磁界が発生するので、その磁界を使って磁石を動かしたり(モーター)することができる。
しかし、実際の回路では「磁界が発生することで電流が流れるのを邪魔をする」という性質を利用して、
高い周波数を通さないようにしたり(フィルタ)、磁界の形でエネルギーを蓄えたり(DCDCコンバータ)する使い方をする。
コンデンサの逆の性質を持つと思えばだいたい合ってる。
恒温槽
高温や低温にすることができる装置。
大きな冷蔵庫みたいなもの。
電子回路が高温・低温で正常に動作することを確認するために使う。
コモンモードノイズ
地面と配線の間に流れるノイズのこと。
配線が複数あっても同じ方向にノイズが流れていることから、通常のノーマルモードノイズと区別して「コモンモード」と言う。
コンデンサ
二つの電極を向かい合わせて間に誘電体を挟んだもの。
電気を蓄える性質を活かして、主に電源の平滑化に使用する。
また、インダクタと逆に高周波を通しやすい性質ので、それを利用してフィルタを作るのにも使用される。
コンパレータ
二つの電圧を比較し、どちらが高いかを判定できるアナログ部品。
さ
サージ
瞬間的に発生する高電圧や高電流のこと。
静電気・モータ・コイルなどで発生する。
差動アンプ
差動信号を増幅するためのアンプ。
通常のアンプはGNDを基準としているので、同相ノイズを除去できない。
差動アンプであれば同相ノイズを除去できる。
差動信号
普通の信号(シングルエンド)は「GNDに対して何ボルトか」で伝送するが、差動信号は2本の配線を使用して「どちらの電圧が高いか」で伝送する。
普通の信号はGNDが安定という前提になっているが、長い配線だとGNDも不安定になるので高速信号が正しく送れない場合がある。
差動信号だと2本の配線の差分で伝送するため、GNDが安定でなくとも正しく伝送できる。
し
治具
wikipediaでは「加工や組み立ての際、部品や工具の作業位置を指示・誘導するために用いる器具の総称」となっているが、実際にはもっと広い意味で使われる。
・プログラム書き込み治具
・検査治具
などと、量産行程で使うカスタム機材はほぼ「治具」と呼ばれる。
シグナルジェネレータ
指定した周波数の信号を発生するための測定機器。
無線機器などの特性測定に使用する。
自己共振周波数
インダクタは純粋なインダクタ(L成分)ではなく、微小なコンデンサ(C成分)や微小な抵抗成分(R成分)がある。
そのため、周波数を上げていくとL成分よりもC成分のほうが大きくなってしまって、ほとんどコンデンサとして役に立たなくなってしまう。
コンデンサも同じで、周波数を上げていくとインダクタになってしまって役に立たない。
その境目の周波数が「自己共振周波数」。
コンデンサでもインダクタでも、自己共振周波数より十分低い周波数で使用しないと役割を果たさない。
だから、各メーカーは「容量や大きさで不利だけど自己共振周波数が高いラインナップ」というのを用意している。
(知らない人が見ると、なんでそういうラインナップがあるかわからないんだよね……)
実装
生板(未実装基板)に部品を載せること。
「未実装基板」「実装基板」のように呼ぶ。
ジャンクション温度(接合部温度)
ICやトランジスタのシリコン部分の温度のこと。
動作温度範囲がこれで規定されていることがある。
直接測定できないので、ケース温度と熱抵抗から計算して推定することになる。
シャントレギュレータ
一定の電圧を作り出すレギュレータ。
普通のレギュレータと違って、電源ではなくなにかの基準電圧を生成する場合が多い。
シュミットトリガ
普通のデジタル入力ピンというのは、中間電位を入れてはいけない。
3.3Vのデジタル入力に1.65Vとか入れると内部で大電流が流れて部品が破損したりする。
そのため、ゆっくりと変化する鈍った波形を入れると中間電位が長くなってしまうので、禁止されている。
シュミットトリガは中間電位を入れても破損しないようになっている入力回路。
なまった波形をCPUに入れる際には、途中にシュミットトリガ入力のロジックICを挟むようにする。
順方向電圧
ダイオードでアノードからカソードに電流を流した時に、ダイオードで降下してしまう電圧のこと。
この電圧が低いほど理想ダイオードに近い。
昇圧回路
入力電圧よりも高い電圧を生成する回路のこと。
ショットキーバリアダイオード
電圧降下が小さいダイオード
電源の逆流防止によく使用される。
ただし、高耐圧のものがなく、逆方向のリーク電流が多い。
シルク
基板表面に印刷されるもの。
部品のリファレンス番号・1ピン位置・基板の型番などを表示するのに使用される。
す
水晶振動子
安定した精度で発振する部品。
ほとんどの電子部品の精度は%級だが、水晶振動子はppmレベルの精度がある。
そのため、CPUなどの基準クロック生成に使用される。
水晶発振子
水晶振動子とそれを駆動するための回路を封入した部品。
電源をいれるだけで規定の周波数を出力する。
スイッチング周波数
DCDCコンバータは特定の周波数でFETのON/OFFを繰り返して電圧を変換している。
その周波数のことをスイッチング周波数という。
スルーホール
基板を貫く導電性の穴のこと。
基板は複数の層でできているが、その層同士を接続するために使用される。
せ
制限抵抗
LEDに流れる電流を「制限」するために使用する抵抗のこと。
そういう部品があるわけでなく、単に役割の名前。
静電気
電子機器を壊す主要因にして、対策が一筋縄でいかない厄介なシロモノ。
回路設計者はこれと戦う経験を必ずする。
静電気イミュニティ試験
静電気をシミュレートする装置を使って製品に静電気をかける試験。
接触放電・気中放電・間接放電という3種類の放電の試験を行う。
積層セラミックコンデンサ
セラミックと電極を何重にも重ねたコンデンサ。
積層していないセラミックコンデンサと比較して桁外れの容量を誇る。
現在のコンデンサの主流はこれ。
設計書
実際に回路を引く前に作るドキュメントのこと。
コレがない場合、だいたい行き当たりばったり設計になっている。
「余計な文書を作らない」ことが重視されていたりもするが、実際にはないとかなり危ない。
(文書のつくりすぎが問題なのであって、最低限は絶対に必要)
絶対利得
アンテナというのは指向性があって特定の方向に強く電波が出る。
全方向に均等に出る理想アンテナ(現実にはない)と比較して、どれだけ強く電波が出るかを示すのが絶対利得。
これが大きいと指向性が強いことになる。
そ
ソフトスタート
電源をゆっくり立ち上げるための機能。
電源ON時に引く電流を制限するなどの理由で使用する。
た
ダイオード
電流を片方向にしか流さない半導体。
「シリコンダイオード」「ショットキーバリアダイオード」「ツェナーダイオード」など複数の種類がある。
耐タンパー性
内部構造の解析のしにくさのこと。
セキュリティ機器などは解析が困難なように、「不正な信号を検知したらデータを消去する」「筐体を開けられたら動作を停止する」といった対策を取ることがある。
こういったものを耐タンパー性という。
タクトスイッチ
感触のあるスイッチの意味で、押した時にカチッという感覚があるスイッチ。
家電の押しボタンスイッチの中身などがコレ。
信号用のため、大電流を流すことは出来ない。
端子間容量
部品の端子には寄生容量がついてしまう。
その容量の値のこと。
端子台
配線を締め付けられるネジがたくさん並んだ台のこと。
手軽に裸の配線をつなげることができるので、治具など1品物を作る場合によく使用する。
また、産業用機器では外部I/Fが特定のコネクタではなくこの端子台に出力されていることも多い。
タンタルコンデンサ
積層セラミックコンデンサが出る前は、高容量で性能が良いためオーディオや無線部に使用された。
しかし、少しのショックでショートしてしまい、危険性があるため、現在では積層セラミックコンデンサに取って代わられている。
ダンピング抵抗
信号線に直列に入れる抵抗のこと。
配線のインダクタ成分のせいでオーバーシュートやアンダーシュートが出るわけだが、
配線に抵抗成分があるとオーバーシュート・アンダーシュートは小さくなる。
そのため、波形をきれいにするために10~100Ω程度の抵抗を入れることが多い。
ち
チャタリング
スイッチは物理的な金属の板で出来ているため、動くときに振動してしまう。
そのため、OFFからすぐにONになるわけではなく、OFF→ON→OFF→・・・→ONと細かく切り替わってから安定する挙動になる。
この挙動のことをチャタリングという。
対策としてはハード的にするものと、ソフトウェアで複数回読み込んで対応するものがある。
つ
ツェナーダイオード
通常のダイオードは逆方向に電流が流れないが、特定の電圧以上で逆方向に電流が流れるように細工されているダイオードのこと。
その特性を使用して特定の電圧を作るために使用したり、ノイズなどの瞬間的な大電圧を逃がすために使用されたりする。
て
ディップスイッチ
小さなスライド式スイッチが2~8個集まったスイッチ。
モード切替などめったに切り替えない用途で使用される。
データシート
部品の仕様を記載した文書のこと。
回路設計はこれを読んで理解することが仕事の半分を占める。
日本語で書いてあっても読み方がわからないと手がつけられないのが現実。
デューティ比
周期的なデジタル波形のONとOFFの比率。
デジタルでもONとOFFの比率を変えて、その信号にローパスフィルターをかけることでアナログの波形を作ることができる。
抵抗
電流を通しにくい材質で作った部品。
電流を制限したり、電圧を分圧する際に使用する。
デジタルトランジスタ
トランジスタをスイッチ的に使用する際に必要な抵抗を内蔵したトランジスタ。
デジタル回路でCPUでは電流が足りない場合に多用される。
デバッグ
不具合がないか動作確認をすること&不具合(バグ)をなくすこと
一般的にはソフトウェア用語だが、ハードウェアでも「デバッグ」という場合がある。
電気二重層キャパシタ
10Fなどの桁外れの大容量のコンデンサ。
ただし、電圧が2.7V/5.5V程度であり、高電圧は存在しない。
自己放電が小さいが内部抵抗が大きいバッテリーバックアップ向けのものと、
自己放電が大きいが内部抵抗が小さく大電力の充放電ができるタイプの両方が存在する。
と
銅
基板の配線の正体。
部品から出ているピンなどは鉄がほとんどだが、基板上の配線は鉄ではなく銅でできている。
動作温度
その部品が正常に動作できる温度範囲のこと。
まれに周囲の温度で規定されている場合もあるが、たいていはその部品自体の温度で規定されている。
同軸ケーブル
特性インピーダンスがコントロールされているケーブル。
無線などの高周波を伝送する際に使用される。
導電性高分子アルミ電解コンデンサ
アルミ電解コンデンサの特性を向上させたコンデンサ。
アルミ電解コンデンサより高周波まで使用でき、ESRも小さい。
ただし、価格もアルミ電解コンデンサよりは高価。
アルミ電解コンデンサと積層セラミックコンデンサの中間に位置するコンデンサ。
ドライバー
大電力が必要な機器を駆動するための回路。
「モータードライバ」「オーディオドライバ」「LEDドライバ」など。
トランジスタ
小さな電流で大きな電流を制御することができる素子。
その特性を使って、CPUの小さな信号で大電流が必要なモータを制御したり、LEDを点灯させたりする際に使用される。
また、アナログ回路では信号の増幅にも使用される。
もっともポピュラーな部品だが使い方が無数にあり、アナログ回路となると電子回路の中で一番理解が難しい部品になる。
トランス
コイルを二つ束ねた部品。
電圧変換(AC→DC,AC→AC,DC→DCなど色んな場面で)や、信号伝達に使用される。
普通の部品と違って絶縁したままエネルギーを伝達できるので、絶縁が必要な電源や信号で使用される。
トランスミッタ
送信機のこと。
信号を出力する回路など。
な
内蔵抵抗
CPUの入力ピンなど、一部ピンはプルアップ抵抗やプルダウン抵抗が内蔵されていることがある。
また、デジタルトランジスタも内蔵抵抗がある。
なまり
基板上の配線には寄生容量やダンピング抵抗などがあるため、ローパスフィルタとして働く。
そのため、高速な信号はそのまま伝わらずに少しなまった形になってしまう。
ね
ネットワーク・アナライザ
測定対象に高周波を流し込み、通過する成分と反射する成分を測定する測定器。
例えばアンテナであれば、反射がないほうが理想なので、ネットワークアナライザで反射がゼロになるように調整を行うことになる。
ネットリスト
回路図の部品と部品の接続を記録しているデータ形式。
実際にはいろんな形式がある。
回路図CADからネットリストを出力して、アートワーク業者に渡すことでアートワークをすることができる。
は
ハイインピーダンス
「抵抗値が高い」こと。
「このピンは入力でハイインピーダンスなので、プルアップ抵抗をつけないといけない」のように使う。
バグ
不具合のこと。
ソフトウェア要因の場合もハードウェア要因の場合もある。
波長短縮率
電波の速度は3×10^8mとされているが、基板中を伝わったりケーブルの中を伝わる際には速度が落ちる。
速度が落ちるということは、その電波の1波長の長さも縮む。
その基板やケーブルでどの程度波長が縮むかを「波長短縮率」という。
バックアップ電池
メイン電源が断たれた状態でもRTC(時計)などの最小限の機能を駆動するためについている電池のこと。
これが切れると電源が断たれた際に時計がリセットされてしまう。
パッケージ
電子部品の外形のこと。
同じ機能のICでもピンの数や外形が異なる複数のバリエーションが有る。
高密度実装なら小さいパッケージが歓迎されるが、高精度が厳しい工場では大きいパッケージが歓迎されるため、複数のパッケージがある。
発振
水晶振動子が駆動することなどを「発振」という。(これは正常動作)
また、電源やアナログ回路が意図せずに周期的に変動することも「発振」という。(異常動作)
パスコン
電源のノイズを取るために使うデカップリングコンデンサのことを通称「パスコン」と呼ぶ。
バリスタ
静電気保護に使う部品。
普段は絶縁状態だが、ある一定以上の電圧になると抵抗値が突然小さくなる。
この特性を利用して、静電気などの高電圧をGNDに逃すのに使用する。
パワーオンリセット
電源が入った際にCPUのリセットを行う機能。
この機能がないCPUを使用する際には、外部に電源投入時にリセットピンを制御する回路をつける必要がある。
ひ
ヒートシンク
部品の熱を放熱するための金属部品
ピッチ
端子が並ぶときの間隔のこと。
「ピッチが細かい」「このコネクタのピッチは0.5mmだ」など。
ヒステリシス
シュミットトリガー入力など、「H→Lに変化する電圧」と「L→Hに変化する電圧」が異なるように設計され、
立ち上がり時間・立ち下がり時間が緩やかでもチャタリングしない特性を指す。
評価ボード
CPUや電源などのICを動作する形で搭載した基板のこと。
この基板を買うことで新たに基板を作成すること無く、性能の評価や基本的な開発ができる。
ヒューズ
一定以上の電流が流れた際に切れることで電流を遮断する部品。
ふ
フェライトコア
フェライトで出来た磁性体。
ケーブルに巻きつけるなどしてコモンモード対策として使用する。
本来はこういった組み立ての手間がかかるものを使用したくないが、基板内部の対策だけではノイズを抑えきれなかった場合によく使用される。
数十MHz~数百MHzあたりで効果がある。
フォトカプラー
LEDと光センサー(フォトトランジスタ)を一つのパッケージに入れたもの。
電気的に絶縁した状態で信号を伝達したいときに使用する。
浮動小数点数
「1.3×10^4」のような形式で「1.3」と「10^4」を別に保持する数値の持ち方。
固定小数点数という方式では「0.0から1.0を1/65536刻みで数値化する」といったことをするので、扱える数値の範囲が狭い。
プルアップ抵抗
信号線を弱い抵抗(抵抗値が大きい)で電源に接続すること。
信号線に繋がるデバイスがなにも出力していない際に、信号線がHレベルになることを保証する。
プルダウン抵抗
プルアップの逆。
信号線を弱い抵抗でGNDに接続すること。
プルアップと同様に、デバイスが何も出力してない(ハイインピーダンス)のときに信号線がLレベルになることを保証するために使う。
フルカラーLED
赤・緑・青の三色を一体型にしたLEDのこと。
この3色を混色することでフルカラーを実現できる。
分圧
例えば、3Vのプラスとマイナスの間に直列に二つつないだ1kΩx2をつなぐ。
そうすると、抵抗の間に1.5Vという電圧が生じる。
このように、複数の抵抗で高い電圧から低い電圧をつくることを分圧という。
へ
ベタ
基板の上の広い面積の銅箔のこと。
基板上の銅箔は細長い「配線」と面積がある「ベタ」でできている。
とくにGNDのベタは正しく配置しないとノイズの原因となる。
ほ
保護素子
バリスタ・ヒューズ・その他ESD対策部品など、過電圧・過電流から回路を守るための部品の総称。
保存温度
非通電状態で耐えられる温度範囲のこと。
例えば、保存温度-20~85℃の部品を使った製品を-30℃環境で保管してはいけない。
ほとんどの半導体は-40~125℃など広い範囲で耐えられるが、案外コネクタなどのプラスチック製品の保存温度がMAX.85℃だったりする。
ま
マッチング
高周波を扱う回路で、電力が最も効率よく伝送されるように回路の中の定数を調整する作業のこと。
マルチプレクサ
多数の出力を切り替えて一つの出力につなげる機構。
この機能専用のロジックICもある。
CPUの中は一つのピンに複数の機能が割り当てられているが、中にマルチプレクサが入っていてピンに接続する機能を切り替える機構になっている。
め
メタルマスク
プリント基板(生板)にハンダを塗布する際に使用する金属の板。
ハンダを盛るところにだけ穴が空いており、プリント基板の上にメタルマスクを載せてハンダを上から塗りつけることでハンダを盛ることができる。
も
モータードライバ
モーターを駆動するための回路。
トランジスタなどで組む場合もあるが、普通は専用のICを使用する。
ICの場合、トランジスタで組まれた物とMOSFETで組まれたものがある。
オン抵抗などの問題でMOSFETの方が効率がいいが、高電圧品はだいたいトランジスタしかない。
漏れ電流
例えばICの入力ピンは非常に抵抗値が高く理想的には電流が流れない。
しかし、実際にはほんの少しだけ電流が流れてしまい。
そういった「理想的には流れないけれども実際には流れてしまう嫌な電流」を「漏れ電流」と呼ぶ。
「漏れ」という言葉には「漏れてほしくないんだけど漏れちゃうんだ」という思いが入っている。
ゆ
ユニバーサル基板
2.54mmなどの一定の間隔で穴が空いた基板のこと。
DIP部品を差し込んで配線することで簡単な回路なら作ることができる。
逆に言うと、表面実装品などを直接ユニバーサル基板に載せることはできず、SMD→DIP変換基板のようなものを使用する必要がある。
ら
ランドパターン
部品を乗せるために銅箔が露出した部分のこと。
り
リーク電流
ICの入力ピンなどはインピーダンスが高く、理想的には電流が全く流れない。
しかし実際には微量に電流が流れてしまうため、「漏れ」という意味で「リーク電流」という言葉で表現する。
リフロー
表面実装部品をはんだ付けする行程のこと。
常温で基板のパッドにクリームはんだを印刷し、その上に部品を載せて高温の炉にいれてクリームをハンダを溶かしてはんだ付けをする。
リセット
初期化のこと。
CPUであれば内部のレジスタをすべて初期値に書き換わることをいう。
リセットIC
電源電圧がある基準以下になった時に出力をLowにするIC。
CPUのリセットピンにつなげることで、CPUをリセットすることができる。
電池駆動など電源電圧が安定しないときにCPUが暴走するのを防ぐ目的で使用される。
リチウムイオン電池
重量あたりのエネルギー密度が高い充電電池。
今やありとあらゆるところで使用されているが、基本的に危険物。
過充電も過放電も駄目なため、専用の制御ICと組み合わせて使用することが一般的。
また、航空での輸送も制限される。
リチウム電池
単にリチウム電池と言ったときは基本的に一次電池を指す。
コイン電池や円筒形など複数の形状がある。
アルカリなどよりエネルギー密度が高く小型のラインナップがあるため、バックアップ用などによく使用される。
リップル
意図しない電圧や電流の周期的な変動のこと。
DCDCコンバータの出力などで観測される。
リニアレギュレータ(シリーズレギュレータ)
高電圧から低電圧を生成するための部品。(例:9V/100mA→5V/100mA)
昔からある部品で電圧差を熱として消費するため仕組みのため、例として15Vから5Vをつくると3分の2が熱として消費されてしまう。
エネルギー効率は悪いが、低ノイズ・低コストという利点がある。
そのため主に電流が少ない部位やノイズを嫌う部位で使用される。
れ
レジスタ
CPU内部のデータ置き場のこと。
実際の計算ではRAM上のデータを直截扱っているわけではなく、RAMからレジスタにコピーをして、レジスタ同士で加減剰余計算をして、最終的にRAMに書き出している。
レジスト
基板の表面に塗布される絶縁材のこと。
これに孔を開けることで必要な部分だけ銅が露出した基板が作成できる。
色がいろいろあり、レジストの色で基盤の色が決まる。
一般的には緑が一番多くて安い。
レベル変換
3.3Vの信号レベルを5Vの信号レベルに変えるといったこと。
部品ごとに動作電圧が異なるため、信号のレベル変換が必要になる。
トランジスタなどを使って自分で組む方法もあるが、大抵はレベル変換用のICを使用する。
わ
割り込み
CPUの機能。
タイマー、周辺機器からの通知、GPIOの変化などを要因として特定の処理を実行する機能。
メインの処理は一時的に止まるが、処理が完了次第メインの処理に戻る。
これがないとメインルーチンでタイマーやGPIOを監視し続ける必要があって大変。
プログラムが書きやすくなり、無駄な監視が不要になるので実行効率も上がる。
ただ、変なタイミングで割り込みを呼ばれると処理がおかしくなることもあり、デバッグは注意が必要。
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