部品のデータシートを見ると、いろいろな特性の表が載っていますが、
だいたい最初に乗っているのは「絶対最大定格」です。
さて、この絶対最大定格とは何でしょうか。
それは「一瞬たりとも超えてはいけない値」です。
これを一瞬でも超えると壊れる可能性があり、壊れても文句は一切言えない値です。
逆に言うとこれを守っていれば壊れないはずなので、問題が起こった時にメーカーに問い合わせをすることができます。
「なるほど、これを超えないように設計すれば良いんだな」
その通りです。
ただ、気をつけてもらいたいのは、
絶対最大定格=部品が壊れない値
でしかなくて、「正常動作する値ではない」ということです。
どういうことでしょうか。
ちょっとこのOPAMPのデータシートを見て下さい。
https://www.njr.co.jp/products/semicon/PDF/NJM4556A_J.pdf
絶対最大定格の欄に「同相入力電圧:±15V(電源電圧が± 15V 以下の場合は電源電圧と等しくなります。 )」と書いてありますよね。
ここでは「同相入力電圧」の意味がわからなくてもOKです。
電源が±15V入れていれば、OPAMPの入力端子に±15V入れても大丈夫ということです。
ですが、その下の電気的特性を見て下さい。
ここには「同相入力電圧:(標準)±14V」と書いてあります。
±15Vじゃないですよね。
つまり、
「電源に±15Vを入れた時に、OPAMPの入力端子に±14Vまでの電圧を入れても動きます」
「電源に±15Vを入れた時に、OPAMPの入力端子に±15Vまでの電圧を入れても壊れません」
という2つのことを言っています。
つまり、14.5Vをいれたら「壊れないけど動かないかもしれない」と言っています。
これ気をつけて下さい。
ごくたまにですが、経験者でもこの「壊れないけど動かないかもしれない」という設計になっていることがあります。
(たいてい動いちゃうんですが)保証対象外なので設計として完全にNGです。
以上、小田切でした。