DCDCコンバータは電力損失が少なく、LDO・レギュレータは電力損失が多い。
一般的にはそうなります。
例えば、15Vから5V/1Aを作る場合を考えましょう。
◯DCDCコンバータ
5V/1Vは電力では5Wです。
DCDCコンバータの効率が80%だとすると、6.25Wの電力を入力する必要があります。
6.25/15=0.4166
15V/0.4166Aの入力が必要です。
◯LDO・レギュレータ
入力電流=出力電流
なので、入力は15V/1Vになります。
このように入力電流が倍以上必要になってしまいます。
こうなると完全にDCDCコンバータが有利です。
が、例外があります。
それは電圧差が小さくて電流がすごく小さい場合です。
品種にもよりますが、DCDCコンバータはそれ自体が数mA消費します。
ここでは仮に3mAとします。
LDO・レギュレータも品種で全然違いますが、本来の消費電流が数uAのものも結構あります。
ここでは仮に10uAだとしましょう。
さらに5Vから3.3Vを作るとして、その3.3Vは30uAしか消費していません。
そうすると・・・
◯DCDCコンバータ
出力は3.3V/30uAなので99uW必要です。
効率を80%とすると、約124uWの電力が必要です。
124u/5=24.8u
ということで、入力は5V/24.8uAとなります。
が、ここにさきほどは無視していたDCDCコンバータの消費電流が乗ります。
結局、5V/3024.8uAです。
◯LDO・レギュレータ
入力は5V/30uAです。
そこにLDO自体の消費電流が乗ります。
5V/40uA
どうでしょうか。
DCDCコンバータ自体の消費電流が大きいせいで、変換効率が良くても結局電流が大きくなってしまっています。
ということで、「電流が少ない時(10mA以下)」のときはDCDCコンバータよりLDOの方がいい場合がありますので、効率を考えるときには気をつけましょう。
以上、小田切でした。