LDOのデータシートを見ると「最大出力電流:1A」などと書いてあると思います。
ですが、これは信じていはいけません。
なぜでしょうか。
最大出力電流1Aというのは、
・電流制限機能が1A以上になっている(1Aまでは電流制限が効かない)
・電流を制御している素子が1A以上耐える
といっているだけです。
「え、1Aに耐える素子が入っていて、電流制限も聞かないんでしょ? じゃあOKじゃん」
と思うかもしれませんが、これが間違い。
一つ忘れている項目があります。
それは
熱
です。
「1A流したときの熱に耐えられるか?」はこの項目に入っていないのです。
この判断には「許容損失」という項目を見る必要があります。
例えば、このLDOの許容損失が基板実装時に2Wだとします。
5Vから3.3V 1Aを作る場合では、
LDOの損失=(5-3.3)x1=1.7W
ですから、許容損失以下でOKです。
12Vから3.3V 1Aを作る場合では、
LDOの損失=(12-3.3)x1=8.7W
ですから、許容損失を大きく超えてしまいNGです。
このように、入力電圧によってLDOの損失=熱が変わってしまい、許容損失以内かそうでないかがかわってしまうのです。
ということで、データシートの電流表記を見るだけでなく、許容損失で実際にどれだけの電流が流せるか確認するようにしましょう。
以上、小田切でした。