物凄く単純にLEDを光らせる回路で説明していきます。
記号(NPN)
2SC1815などのNPN型トランジスタの記号はこれです。
この図の中のベースは覚えやすいですが、エミッタとコレクタは混乱しやすいと思います。
「矢印が出ている先がエミッタ」とおぼえておきましょう。
ちなみに、この矢印はトランジスタに電流が流れる向きと一致しています。
記号(PNP)
2SA1015などのPNP型トランジスタの記号はこれです。
NPN型と基本は同じですが、矢印が逆になっています。
そして、先程矢印とトランジスタに流れる電流の向きが同じだと言いました。
つまり、PNPではNPNと逆向きに電流が流れます。
ですので教科書的には上で正しいのですが、回路図で上の形でお目にかかることはありません。
なぜなら、普通回路図は電流は上から下に流れるように書くからです。
なので、実際の回路図では
こういう風に上下が逆になっていることが普通です。
LEDを点灯させる回路図(NPN)
NPNトランジスタをスイッチとして使う場合の基本形です。
上のGPIOとかかれたピンに電流を流し込むことでLEDが光ります。
「NPNトランジスタはベースに電圧をかけて電流を流し込むことでLEDが光る」とおぼえて下さい。
LEDを点灯させる回路図(PNP)
PNPトランジスタをスイッチとして使うときの基本形です。
先程書いたように上から下に電流が流れるように回路図を書くので、教科書的な記号とは逆になっていますね。(矢印が下向き)
さきほどNPNトランジスタではGPIOと書かれた信号線(トランジスタのベース)に電流を「流し込む」ことでスイッチがONしました。
しかしPNPトランジスタは考え方が逆です。
NPNはPNPの特性をひっくり返したものだと思えばいいです。
「PNPトランジスタはベースから電流を引き抜くことでLEDが光る」とおぼえて下さい。
この回路ではGPIOにVCCを掛けてもトランジスタはONしません。
GPIOを0V(正確にはVcc-0.6V以下)にすることでトランジスタがONします。
NPNとPNPの使い分け
上の説明でなんとなくピンときませんでしたか?
NPNトランジスタを使うとベースに電圧をかけることでONできます。
PNPトランジスタを使うとベースを0VにすることでONできます。
(中級者の方は、「え、正確には0.6V+必要な電流が流せる電圧だよね?」とか突っ込みたいと思いますが、話を簡単にするためにスルーしてください)
たとえばなにかセンサーがあるとしましょう。
「このセンサーはなんかを検出した時にHigh(3.3V)を出力する。検出した時にLEDを光らせたい」
そんなときはNPNトランジスタを使ったLED点灯回路を使えばOKです。
「このセンサーはなんかを検出した時にLow(0V)を出力する。検出した時にLEDを光らせたい」
そんなときはPNPトランジスタを使ったLED点灯回路を使えばOKです、
こんな風に使い分けできるわけです。
もちろん、やり方としてはロジックICなどを使って論理を反転させることで、後者のパターンでもNPNトランジスタでLED点灯させることも可能です。
でも、そんなことするより、PNPトランジスタを使ったほうがシンプルですよね?
そういうことです。
以上、小田切でした。