2017年 12月 の投稿一覧

データシートって全部読まないといけないの?(初心者向け)

実際の現場で電子回路の設計をしたことがない人にとって、データシートをどう扱うかは難しいものです。

実際に仕事をしていれば、周りの先輩たちがどのように扱っているか見ながら見よう見まねでなんとかなるのですが、独力だとそういうことができないのでちんぷんかんぷんでしょう。

そんなあなたにワンポイントレッスン(?)

 

データシートは全部読むものか?

いいえ。

普通はそんなことはしません。

必要な所だけピックアップして読むものです。

例えばCPUのデータシートなんて1000ページを軽く超えます。

そんなもの全部読んでいたら、いつまでたっても設計できません。

 

では、データシートはどこを読めばいいの?

正直、場合によりけりです。

 

ですが、基本的にまず読むべきは1枚めです。

1枚めには特徴がだいたい書いてあります。

逆に言うと、1枚目に書いてあることが理解できない状態だと危険です。

ググりまくる何なりして、1枚目に書いてある事の用語の意味程度はわかるようになりましょう。

 

次に大事なのは「絶対最大定格」と「電気的特性」の入力電圧です。

これがわからないと何ボルトが必要かすらわかりません。

 

次に大事なのはピン配置です。

どういうピンがでているか。

これさえわかれば、なんとなく全体像が見えてくるものです。

ピン配置をじっくり眺めてみましょう。

 

こんな感じで全体像を掴んで、ざっくり回路を引いていって、後から気になる所を調べていく、という流れになります。

まあこの「気になる所」というのが分かるまでだいぶ経験が必要なんですけどね・・・

 

以上、小田切でした。

データシートの「推奨」ってどう取ればいいの?(初心者向け)

データシートを見ていると「推奨」という言葉がよく出てきます。

「推奨動作条件」とか。

 

一般的に「推奨」というと、「守れるといいけど、守れなくても罰則がないこと」です。

絶対に守る必要があるものではありません。

しかし、ぶっちゃけた話、データシートの「推奨」はほぼ「絶対に守らないといけないもの」になります。

 

「推奨動作条件」=「できるだけ守って下さい」

ではありません。

 

「推奨動作条件」=「サポートを受けたければ守って下さい。これを守っていない場合はうちは知りません」

です。

 

「推奨」なんて言葉がついていますが、実質的にはきっちり全部守らないとサポートの時に「推奨している方法で使って下さい」と言われてメーカーからサポートを投げ出されます。

これは冗談ではなくマジ。

趣味であれば「絶対最大定格」だけ最低限守って「推奨動作条件」はちょっと外れても実質問題ありません。

しかし、実際の製品を作るとなると部品メーカーのサポートは必須です。

異常な動作をした時や、故障した時に、部品の解析を依頼することになります。

そんなときに推奨動作条件を守っていないと、メーカーはまともに取り合ってくれません。

(メーカーに寄って温度差がありますが、熱心に対応してくれないメーカーだと推奨動作条件を守ってない時点で投げ出されます)

 

ということで、「推奨」を言葉通りに取らないで下さい。

「推奨」と書いてあれば守らないとメーカーサポートしてもらえません!

 

以上、小田切でした。